サピエンティア 70
それでも政治を擁護する
デモクラシーが重要な理由

四六判 / 354ページ / 上製 / 価格 4,400円 (消費税 400円) 
ISBN978-4-588-60370-9 C1331 [2023年10月 刊行]

内容紹介

民主政治には問題があるものの、他の制度よりは優れていると主張したバーナード・クリック『政治の擁護』の刊行から60年。ポピュリズムが広がり分断が進む世界で、政治不信は高まる一方だ。だが、気候変動や人口増加といったグローバルな問題を正面から受け止め、政治をもっと信頼して共に未来を作ろうと市民に参加をうながす本書は、イギリスで幅広い読者を獲得した。日本の読者を勇気づける「日本語版への序文」付。

著訳者プロフィール

マシュー・フリンダース(フリンダース マシュー)

マシュー・フリンダース
(Matthew Flinders)
シェフィールド大学社会科学研究科政治学・国際関係学科で政治学を専攻し,博士号を取得。現在,シェフィールド大学社会科学研究科政治学・国際関係学科政治学教授。バーナード・クリック卿公衆の政治理解研究所初代所長。英国政治学会(Political Studies Association)会長(2014-2017年)。主な著書・共編著に,Democratic Drift (Oxford: Oxford University Press, 2009)やThe Oxford Handbook of British Politics (Oxford: Oxford University Press, 2009, Andrew Gamble, Michael Kenny, Colin Hayと共編); What Kind of Democracy is This? (Bristol: Policy Press/University of Chicago Press, 2017); Questions of Accountability (London: Hart, 2023, Chris Monaghanと共編)のほか,多数の共編著と論文を公表している。
ウエッブサイトhttps://www.sheffield.ac.uk/politics/people/academic-staff/matthew-flinders

武田 宏子(タケダ ヒロコ)

武田 宏子 シェフィールド大学社会科学研究科東アジア研究学科で博士号を取得。カーディフ大学,シェフィールド大学,東京大学で教員を務めた後,2016年から,名古屋大学大学院法学研究科教授。専門は政治社会学,ジェンダー研究,日本研究。主な著書・共編著にThe Political Economy of Reproduction: Between Nation-State and Everyday Life (RoutledgeCurzon, 2005); Routledge Handbook of Contemporary Japan (Routledge, 2021, Mark Williamsと共編)のほか,英語・日本語での論文,翻訳書『ケア宣言』(明石書店,2021年,岡野八代,冨岡薫と共訳)などの研究業績がある。
ウエッブサイトhttps://profs.provost.nagoya-u.ac.jp/html/100009086_ja.html

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

日本語版への序文
まえがき
序文
第1章 二一世紀における政治的支配の本質
第2章 政治そのものに対する政治の擁護
第3章 市場に対する政治の擁護
第4章 否認に対する政治の擁護
第5章 危機に対する政治の擁護
第6章 メディアに対する政治の擁護
第7章 政治を称賛して
読書案内
訳者あとがき
索引

書評掲載

「週刊読書人」(2023年12月22日号、2023年回顧 動向・収穫/吉田徹氏・評)に紹介されました。

「図書新聞」(2024年02月24日号/蓮見二郎氏・評)に紹介されました。

「読売新聞」(2024年02月25日付/苅部直氏・評)に紹介されました。

関連書籍

『シティズンシップ教育論』
バーナード・クリック:著
『選挙制を疑う』
ダーヴィッド・ヴァン・レイブルック:著
『正義と差異の政治』
アイリス・マリオン・ヤング:著