叢書・ウニベルシタス 1060
カントの自由論
ヘンリー・E. アリソン:著, 城戸 淳:訳
四六判 / 590ページ / 上製 / 価格 7,150円 (消費税 650円)
ISBN978-4-588-01060-6 C1310 [2017年08月 刊行]
ISBN978-4-588-01060-6 C1310 [2017年08月 刊行]
現代の英米圏を代表する哲学史家の一人であり、この四半世紀で世界的に最も高く評価されてきたカント研究者であるアリソンの主著にして、初の邦訳。自由と道徳的意志の根拠をめぐる、近年の発展著しい議論の蓄積を踏まえつつ、カントの超越論的観念論にもとづく倫理学の核心部ならびに全体像を網羅的・体系的に示した第一線の研究書。日本語の土壌を新たな思想的文脈へと開く画期的な全訳!
ヘンリー・E. アリソン(ヘンリー アリソン)
(Henry E. Allison)
1937年生まれ、アメリカの哲学史家・カント研究者。カリフォルニア大学サンディエゴ校およびボストン大学の名誉教授。おもな著書に本書のほか、『カントの超越論的観念論──解釈と擁護』(1983年、増補改訂版2014年)、『カントの趣味の理論──美感的判断力批判を読む』(2001年)、『カント『道徳の形而上学の基礎づけ』注解』(2011年)、『カントの超越論的演繹論──分析的・歴史的注解』(2015年)など。
城戸 淳(キド アツシ)
1972年生まれ、東北大学大学院文学研究科准教授。博士(文学)。専門は哲学・倫理学。おもな著書に『理性の深淵──カント超越論的弁証論の研究』(知泉書館、2014年)など。
※上記内容は本書刊行時のものです。謝 辞
原典と略号
序 論
第Ⅰ部 『純粋理性批判』における自由と理性的行為者性
第一章 第三アンチノミー
1 予備的考察
2 定立・反定立の論証
3 第三アンチノミーの解決
4 第三アンチノミーと意志の自由
第二章 経験的性格と叡知的性格
1 区別一般、とくに経験的性格
2 叡知的性格
3 経験的性格と叡知的性格との両立可能性
4 無時間的な行為者性と理性の原因性
第三章 実践的自由と超越論的自由
1 弁証論と規準章における自由
2 実践的自由の両義的な本性
3 一七八一年頃のカントの道徳理論における自由
第四章 別の二つの解釈
1 ベックの批判と再構成
2 超越論的観念論と非法則的一元論
第Ⅱ部 道徳的行為者性と道徳心理学
第五章 理性的行為者性と自律
1 『基礎づけ』第二章における理性的行為者性
2 意志の性質としての自律
3 性質から原理へ
第六章 義務、傾向性、尊敬
1 善い意志と道徳的価値
2 尊 敬
第七章 〈意志〉、〈選択意志〉、心根
1 〈意志〉/〈選択意志〉の区別
2 カントの心根の概念
第八章 根源悪
1 根源悪と厳格主義
2 性癖とその普遍性
3 根源悪の程度
第九章 徳と神聖性
1 徳の本性
2 道徳的理想としての神聖性
第十章 古典的な反論
1 シラーの批判
2 ヘーゲルの批判
3 ウィリアムズの批判
第Ⅲ部 道徳性と自由の正当化
第十一章 相互性テーゼ
1 テーゼの定式化
2 自由と実践的法則──その最初の試み
3 自由と実践的法則──論証を完成する
4 実践的法則から道徳法則へ
第十二章 『基礎づけ』第三章における演繹
1 準備論証
2 隠れた循環
3 演繹を完成する
4 演繹の失敗
第十三章 理性の事実と自由の演繹
1 事実の本性
2 理性の事実としての事実
3 自由の演繹──基本的論証
4 自由の演繹、第三アンチノミー、理論理性と実践理性との統一
5 自由の演繹──最終考察
訳者後記
原 注
文献一覧
事項索引
人名索引
原典と略号
序 論
第Ⅰ部 『純粋理性批判』における自由と理性的行為者性
第一章 第三アンチノミー
1 予備的考察
2 定立・反定立の論証
3 第三アンチノミーの解決
4 第三アンチノミーと意志の自由
第二章 経験的性格と叡知的性格
1 区別一般、とくに経験的性格
2 叡知的性格
3 経験的性格と叡知的性格との両立可能性
4 無時間的な行為者性と理性の原因性
第三章 実践的自由と超越論的自由
1 弁証論と規準章における自由
2 実践的自由の両義的な本性
3 一七八一年頃のカントの道徳理論における自由
第四章 別の二つの解釈
1 ベックの批判と再構成
2 超越論的観念論と非法則的一元論
第Ⅱ部 道徳的行為者性と道徳心理学
第五章 理性的行為者性と自律
1 『基礎づけ』第二章における理性的行為者性
2 意志の性質としての自律
3 性質から原理へ
第六章 義務、傾向性、尊敬
1 善い意志と道徳的価値
2 尊 敬
第七章 〈意志〉、〈選択意志〉、心根
1 〈意志〉/〈選択意志〉の区別
2 カントの心根の概念
第八章 根源悪
1 根源悪と厳格主義
2 性癖とその普遍性
3 根源悪の程度
第九章 徳と神聖性
1 徳の本性
2 道徳的理想としての神聖性
第十章 古典的な反論
1 シラーの批判
2 ヘーゲルの批判
3 ウィリアムズの批判
第Ⅲ部 道徳性と自由の正当化
第十一章 相互性テーゼ
1 テーゼの定式化
2 自由と実践的法則──その最初の試み
3 自由と実践的法則──論証を完成する
4 実践的法則から道徳法則へ
第十二章 『基礎づけ』第三章における演繹
1 準備論証
2 隠れた循環
3 演繹を完成する
4 演繹の失敗
第十三章 理性の事実と自由の演繹
1 事実の本性
2 理性の事実としての事実
3 自由の演繹──基本的論証
4 自由の演繹、第三アンチノミー、理論理性と実践理性との統一
5 自由の演繹──最終考察
訳者後記
原 注
文献一覧
事項索引
人名索引
書評掲載
「図書新聞」(2018年2月3日号/御子柴善之氏・評)にて紹介されました。