叢書・ウニベルシタス 1130
無限者の痕跡
エマニュエル・レヴィナスとヘブライ的源泉

四六判 / 462ページ / 上製 / 価格 6,380円 (消費税 580円) 
ISBN978-4-588-01130-6 C1310 [2025年02月 刊行]

内容紹介

西欧哲学の伝統的概念としての知は、聖書およびヘブライ的なものに由来する思考を汲み尽くすことができない。終わりなき聖書解釈の運動としてのヘブライ的思考とギリシア的概念体系との間をたえず揺れ動きながら、語りえぬ神すなわち無限者の痕跡について語ろうとするレヴィナス哲学の展開をたどり、その根底におけるユダヤ思想との結びつきを明らかにする。

著訳者プロフィール

カトリーヌ・シャリエ(シャリエ カトリーヌ)

カトリーヌ・シャリエ(Catherine Chalier)
1947年生まれ。パリ西大学ナンテール校(旧パリ第10大学)名誉教授。フランシス・カプランに師事し、トゥール大学にて博士号(哲学)を取得。哲学とユダヤ教を架橋した業績によって、ダニャン・ブーベレ賞(2006年)、フランシーヌ・エ・アントワーヌ・ベルンハイム賞(2010年)、信仰を持つ作家賞(2010年)などを受賞。『レヴィナス著作集(1・2)』(三浦直希・藤岡俊博・渡名喜庸哲訳、法政大学出版局)の監修者を務める。

佐藤 香織(サトウ カオリ)

佐藤 香織(サトウ カオリ)
1978年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。パリ西大学ナンテール校でシャリエに師事し、博士号(哲学)を取得。フランス哲学専攻。現在、東京都立大学、神奈川大学ほか講師。共著に『レヴィナス読本』(法政大学出版局、2022年)、『個と普遍──レヴィナス哲学の新たな広がり』(法政大学出版局、2022年)、『見ることに言葉はいるのか──ドイツ認識論史への試み』(弘前大学出版会、2023年)、共編著に『戦うことに意味はあるのか──平和の価値をめぐる哲学的試み』(増補改訂版、弘前大学出版会、2023年)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次


第一章 創造
第二章 形而上学的〈欲望〉
第三章 神の不在
第四章 預言
第五章 時間性と終末論
第六章 希望の方向づけとしての痕跡
第七章 聖潔

補遺 レヴィナスとタルムード
 知性による文字の絶えざる蘇生
 空間の湾曲
 奇跡としての時間性
補遺 表象の禁止
 顔は語る。
 表象不可能性。

訳者解題

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『個と普遍』
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