叢書・ウニベルシタス 175
真理と方法 I 〈新装版〉
哲学的解釈学の要綱
四六判 / 328ページ / 上製 / 価格 4,180円 (消費税 380円)
ISBN978-4-588-09965-6 C1310 [2012年11月 刊行]
ISBN978-4-588-09965-6 C1310 [2012年11月 刊行]
近代の科学的方法思考によって覆い隠されているもの、あるいは忘却されつつある西欧古代からの伝統を呼び起こしてその意識化を試み、科学的方法では検証し得ない〈人間の世界経験全体にかかわる〉真理と認識、伝統と理解を根源的に問うたガダマー哲学の真髄。
H.-G.ガダマー(ガダマー ハンス ゲオルク)
(Hans-Georg Gadamer)
1900年マールブルク生まれの現代ドイツを代表する哲学者。マールブルク大学などで学び、1922年同大学でナートルプに師事し博士学位を、28年ハイデガーのもとで教授資格を取得。68年にハイデルベルク大学を退官するまで、マールブルク、ライプツィヒ、フランクフルト各大学の哲学教授を務め、占領下のライプツィヒ大学では学長の要職にあった。ハイデガー哲学の影響のもと、自身の古代哲学・近代哲学研究を生かし、主著『真理と方法』でロマン主義的・歴史主義的な解釈学を超える存在論的な“哲学的解釈学”を確立し現代思想界に多大な影響をあたえた。その後、精神科学論に限定されない世界経験論・言語論を展開し、またツェラーンなどの詩を解釈し、さらに適用論を実践哲学論として展開するなど、その解釈学を発展させ精錬した。「ガダマー著作集10巻」(J. C. B. Mohr)が刊行されている。邦訳書に、『真理と方法』『科学の時代における理性』『理論を讃えて』『詩と対話』『健康の神秘』『芸術の真理』『哲学の始まり』(以上、法政大学出版局)、『哲学・芸術・言語』『ヘーゲルの弁証法』『ガーダマー自伝──哲学修業時代』(以上、未來社)などがある。2002年3月ハイデルベルクにて死去。
轡田 収(クツワダ オサム)
1934年生まれ。学習院大学名誉教授
麻生 建(アソウ ケン)
1941- 2008年。東京大学教養学部名誉教授
三島 憲一(ミシマ ケンイチ)
1942年生まれ。大阪大学名誉教授、東京経済大学教授
北川 東子(キタガワ サキコ)
1952-2011年。東京大学総合文化研究科教授
我田 広之(ワガタ ヒロユキ)
1957年生まれ。大阪大学言語文化研究科教授
大石 紀一郎(オオイシ キイチロウ)
1960年生まれ。東京大学比較文学比較文化研究室准教授
※上記内容は本書刊行時のものです。第二版まえがき
序論
第一部 芸術経験を手がかりとした真理問題の展開
第Ⅰ章 美学的次元の乗り越え
第1節 精神科学にとっての人文主義的伝統の意味
a 方法の問題
b 人文主義的主導概念
α 教養
β 共通感覚
γ 判断力
δ 趣味
第2節 カントの批判による美学の主観主義化
a カントの趣味論および天才論
α 趣味の超越論的特徴
β 自由美および付属美に関する所説
γ 美の理想に関する所説
δ 自然と芸術における美への関心
ε 趣味と天才との関係
b 天才美学と体験概念
α 天才概念の進出
β 〈体験〉という語の歴史について
γ 体験の概念
c 体験芸術の限界・アレゴリーの復権
第3節 芸術の真理に対する問いの再獲得
a 美的教養への疑念
b 美的意識の抽象化に対する批判
第Ⅱ章 芸術作品の存在論およびその解釈学的意味
第1節 存在論的解明の手がかりとしての〈遊び〉
a 遊びの概念
b 姿への変容と完全な媒介
c 美的なものの時間性
d 悲劇性について──範例として
第2節 美学的帰結と解釈学的帰結
a 画像の存在価
b 機会的なものと装飾的なものとの存在論的根拠
c 文学の境界的位置
d 解釈学の課題としての再構成と統合
原注/訳注
あとがき
序論
第一部 芸術経験を手がかりとした真理問題の展開
第Ⅰ章 美学的次元の乗り越え
第1節 精神科学にとっての人文主義的伝統の意味
a 方法の問題
b 人文主義的主導概念
α 教養
β 共通感覚
γ 判断力
δ 趣味
第2節 カントの批判による美学の主観主義化
a カントの趣味論および天才論
α 趣味の超越論的特徴
β 自由美および付属美に関する所説
γ 美の理想に関する所説
δ 自然と芸術における美への関心
ε 趣味と天才との関係
b 天才美学と体験概念
α 天才概念の進出
β 〈体験〉という語の歴史について
γ 体験の概念
c 体験芸術の限界・アレゴリーの復権
第3節 芸術の真理に対する問いの再獲得
a 美的教養への疑念
b 美的意識の抽象化に対する批判
第Ⅱ章 芸術作品の存在論およびその解釈学的意味
第1節 存在論的解明の手がかりとしての〈遊び〉
a 遊びの概念
b 姿への変容と完全な媒介
c 美的なものの時間性
d 悲劇性について──範例として
第2節 美学的帰結と解釈学的帰結
a 画像の存在価
b 機会的なものと装飾的なものとの存在論的根拠
c 文学の境界的位置
d 解釈学の課題としての再構成と統合
原注/訳注
あとがき