叢書・ウニベルシタス 177
真理と方法 III 〈新装版〉
哲学的解釈学の要綱
ISBN978-4-588-14065-5 C1310 [2021年12月 刊行]
H.-G.ガダマー(ガダマー ハンス ゲオルク)
(Hans-Georg Gadamer)
1900年マールブルク生まれの現代ドイツを代表する哲学者。マールブルク大学などで学び、1922年同大学でナートルプに師事し博士学位を、28年ハイデガーのもとで教授資格を取得。68年にハイデルベルク大学を退官するまで、マールブルク、ライプツィヒ、フランクフルト各大学の哲学教授を務め、占領下のライプツィヒ大学では学長の要職にあった。ハイデガー哲学の影響のもと、自身の古代哲学・近代哲学研究を生かし、主著『真理と方法』でロマン主義的・歴史主義的な解釈学を超える存在論的な“哲学的解釈学”を確立し現代思想界に多大な影響をあたえた。その後、精神科学論に限定されない世界経験論・言語論を展開し、またツェラーンなどの詩を解釈し、さらに適用論を実践哲学論として展開するなど、その解釈学を発展させ精錬した。「ガダマー著作集10巻」(J. C. B. Mohr)が刊行されている。邦訳書に、『真理と方法』『科学の時代における理性』『理論を讃えて』『詩と対話』『健康の神秘』『芸術の真理』『哲学の始まり』(以上、法政大学出版局)、『哲学・芸術・言語』『ヘーゲルの弁証法』『ガーダマー自伝──哲学修業時代』(以上、未來社)などがある。2002年3月ハイデルベルクにて死去。
轡田 收(クツワダ オサム)
1934年生まれ。1959年東京大学大学院修了。ドイツ文学専攻。慶応義塾大学、学習院大学教授を歴任、現在、学習院大学名誉教授。訳書:『挑発としての文学史』(岩波現代文庫)、イーザー『行為としての読書』(岩波モダンクラシックス)、プレッサー『書物の本』(法政大学出版局)、ハーバーマス『近代の哲学的ディスクルスⅡ』(共訳、岩波書店)ほか。
三浦 國泰(ミウラ クニヤス)
1948年生まれ。1971年北海道大学文学部独語・独文科卒業。同大学大学院修士課程、博士課程に学ぶ。ドイツ学術交流会(DAAD)給費生としてボン大学哲学部留学。ドイツ語学文学振興会奨励賞。現在、成蹊大学文学部教授。文学博士。専門はドイツ文学・芸術理論。訳書:ガダマー『健康の神秘』『芸術の真理』(以上、法政大学出版局)ほか。
巻田 悦郎(マキタ エツロウ)
1961年生まれ。1991年筑波大学大学院哲学・思想研究科修了。92-93年フンボルト財団奨励研究員(ハイデルベルク大学)。現在、東京理科大学准教授。訳書:ドゥット編『ガーダマーとの対話──解釈学・美学・実践哲学』(未來社)、ガダマー『詩と対話』、『真理と方法Ⅱ』(以上、法政大学出版局)ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。第三部 言語を導きの糸とした解釈学の存在論的な転回
第1節 解釈学的経験の媒体としての言語
a 解釈学的な対象を規定するものとしての言語性
b 解釈学の遂行を規定するものとしての言語性
第2節 〈言語〉の概念に対する西洋思想史の刻印
a 言語とロゴス
b 言語とことば(verbum)
c 言語と概念形成
第3節 解釈学的存在論の地平としての言語
a 世界経験としての言語
b 言語という中間とその思弁的構造
c 解釈学の普遍相
付論 I―VI
付録 解釈学と歴史主義
第三版あとがき
原注
訳注
訳者あとがき
全巻索引