あなたがたに話す私はモンスター
精神分析アカデミーへの報告
ISBN978-4-588-13034-2 C1010 [2022年11月 刊行]
ポール・B.プレシアド(プレシアド ポール)
ポール・B.プレシアド(Paul B. Preciado)
1970年生まれ。スペインのブルゴス出身の哲学者。トランス・クィア活動家、キュレーター。ニューヨークのニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチでジャック・デリダとアグネス・ヘラーに師事した後、プリンストン大学建築学科で博士号を取得。早くからトランスを自覚していたが、30代半ばからテストステロンを用い、外科手術をともなわない「緩やかなトランス」を開始。2015年に出生時に与えられたBeatrizの女性名でなくPaulを名のるようになり、2016年には戸籍上の性も「男性」に変更したが、ノンバイナリーなトランスの立場をとる。フーコー、ドゥルーズ、デリダの思想をハラウェイのサイボーグ・フェミニズムと接続し、現代の先端テクノロジー状況(先端生殖医療、サイボーグ技術、遺伝子工学、コンピューター技術、メディア技術、新薬理学、等々)におけるセクシュアリティをめぐる生政治・生権力の問題を、トランスジェンダー、クィアの立場から鋭く論じる。ニューヨーク大学やプリンストン大学の招聘教授を務めたほか、バルセロナ現代美術館、ソフィア王妃芸術センター、LUMA Arlesのキュレーターを務め、前衛的な性芸術や性文化の創造・普及の現場でも活躍している。主要著作には本書のほか、 以下がある。Testo junkie : sexe, drogue et biopolitique (Grasset, 2008). Pornotopia:an essay on Playboy’s architecture and biopolitics (Zone Books, 2014). Un appartement sur Uranus : Chroniques de la traversée (Grasset, 2019).
藤本 一勇(フジモト カズイサ)
藤本 一勇 1966年生まれ。早稲田大学文学学術院教授。現代哲学、表象・メディア論専攻。著書に 『情報のマテリアリズム』(NTT出版)、『外国語学』(岩波書店)、『批判感覚の再生』(白澤社)、共著に『現代思想入門』(PHP研究所)、訳書にプレシアド『カウンターセックス宣言』、デリダ『散種』(共訳、以上 法政大学出版局)、同『プシュケーI・II』『哲学のナショナリズム』、デリダ/ルディネスコ『来たるべき世界のために』、デリダ/ハーバーマス『テロルの時代と哲学の使命』(以上 岩波書店)、バディウ『存在と出来事』『哲学の条件』(以上 藤原書店)ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。(フランスの〈フロイトの大義〉学派を前にした、一人のトランス男性の、ノンバイナリーな身体による講演)
訳注
訳者あとがき
*上記から、本書のあとがきをお読みいただけます。
書評掲載
「本の雑誌」(2023年02月号/風野春樹氏・評)に紹介されました。
「東京新聞」(2023年02月25日号/杉田俊介氏・評)に紹介されました。
「図書新聞」(2023年5月20日号/猪口智広氏・評)に紹介されました。