叢書・ウニベルシタス 1055
我々みんなが科学の専門家なのか?〈新装版〉
ISBN978-4-588-14083-9 C1330 [2024年01月 刊行]
ハリー・コリンズ(コリンズ ハリー)
ハリー・コリンズ(Harry Collins)
1943年生まれ。イギリスの科学社会学者。2012年にイギリス学士院フェローに選出。現在、ウェールズのカーディフ大学特別栄誉教授。かつて、バース大学の教授職を務め、「バース学派」と呼ばれる「科学的知識の社会学」の研究者グループの中心を担った。現在は、専門知論を中心とした科学論の「第三の波」の提唱者として著名で、重力波物理学コミュニティについての研究でも知られる。邦訳された著作に、『民主主義が科学を必要とする理由』(R. エヴァンズとの共著、鈴木俊洋訳、法政大学出版局、2022年)、『専門知を再考する』(R. エヴァンズとの共著、奥田太郎監訳、和田慈、清水右郷訳、名古屋大学出版局、2020年)、『解放されたゴーレム――科学技術の不確実性について』(T.ピンチとの共著、村上陽一郎、平川秀幸訳、ちくま学芸文庫、2020年)、『七つの科学事件ファイル――科学論争の顚末』(T.ピンチとの共著、福岡伸一訳、化学同人、1997年)などがある。
鈴木 俊洋(スズキ トシヒロ)
鈴木 俊洋(スズキ トシヒロ)
1968年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了。博士(学術)。現在、崇城大学総合教育センター教授。主な著作に、『数学の現象学――数学的直観を扱うために生まれたフッサール現象学』(法政大学出版局、2013年)、『理系のための科学技術者倫理――JABEE基準対応』(共著、丸善出版、2015年)、『岩波講座 哲学05 心/脳の哲学』(共著、岩波書店、2008年)など。訳書に、H. コリンズ+R.エヴァンズ『民主主義が科学を必要とする理由』(法政大学出版局、2022年)、M. クーケルバーク『AIの倫理学』(共訳、丸善出版、2020年)、P.-P. フェルベーク『技術の道徳化――事物の道徳性を理解し設計する』(法政大学出版局、2015年)などがある。
クライメイトゲート事件〔気候研究ユニット・メール流出事件〕
第一章 世界が感じていることと学者たち
中間的なまとめ
第二章 専門家
専門知の諸類型
専門知の表
第三章 市民の懐疑論
集団的活動としての科学と暗黙知
第四章 市民の警笛鳴らし
ワクチン反対論者
結論 我々みんなが専門家なのか?
ユビキタス専門知
スペシャリスト専門知
メタ専門知
デフォルト専門知
まとめ
訳注
訳者あとがき
参考文献
索引