ものと人間の文化史 189
百人一首

四六判 / 366ページ / 上製 / 価格 3,850円 (消費税 350円) 
ISBN978-4-588-21891-0 C0320 [2022年12月 刊行]

内容紹介

江戸時代の初めに登場し、今なお遊び継がれている「百人一首」。しかしその誕生と発達の歴史はほとんど知られていない。著者は、文献史学に終始していた従来の研究方法から脱却すべく、博物館に遺され、あるいは自身が蒐集した「百人一首」の型式、歌人画から書体までを徹底的に調査し、固有の地域文化として発展した「かるた」札やその遊技法にも着目して「百人一首」に秘められた数々の謎に迫る。

著訳者プロフィール

江橋 崇(エバシ タカシ)

1942年に生まれる。1966年、東京大学法学部卒業。法政大学法学部教授(憲法学)を経て、現在、同大学名誉教授。
著書に『かるた』(ものと人間の文化史173)、『花札』(ものと人間の文化史167、以上、法政大学出版局)、『日本国憲法のお誕生』(有斐閣)、『「官」の憲法と「民」の憲法』(信山社)、『外国人労働者と日本』(岩波ブックレット)、『市民主権からの憲法理論』(生活社)。共編著に『外国人労働者と人権』『グローバル・コンパクトの新展開』『企業の社会的責任経営』『東アジアのCSR』(以上、法政大学現代法研究所発行/法政大学出版局発売)、『外国人は住民です』 『人権政策学のすすめ』(以上、学陽書房)、『象徴天皇制の構造』(日本評論社)、『岩波講座 現代の法』(岩波書店)、監修に『図説 カルタの世界』(大牟田市立三池カルタ記念館)、『麻雀博物館大図録』(竹書房)、『総合的学習に役立つ くらしと国の省庁』(小峰書店)。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 はじめに── 「百人一首歌かるた」への道

第1章 「百人一首歌かるた」の誕生
 1 「古型百人一首歌かるた」の発見
 2 関西に生じた乱気流
 3 二十一世紀の「百人一首歌かるた」史研究の深化
第2章 「古型百人一首歌かるた」の内容
 1 「歌合せかるた」の起源、「しうかく院」考案説の登場
 2 「歌合せかるた」類の「貝覆」起源説の消滅
 3 かるた遊技の札を意味する言葉、「かるた」の発祥
 4 「百人一首歌絵合せかるた」の発見
 5 「絵合せかるた」の研究史
第3章 「初期百人一首歌かるた」の遊技法
 1 「百人一首歌かるた」の遊技を見る
 2 「源氏物語かるた」と「百人一首歌かるた」
 3 「百人一首歌かるた」の遊技法の多様な発達
 4 「むべ山かるた」遊技法の解明
 5 未解明の部分が大きい「初期百人一首歌かるた」の遊技法
第4章 百人一首歌人画の成立
 1 百人一首歌人画の由来
 2 版本『素庵百人一首』の歌人画の由来
 3 『素庵百人一首』前半五十人の画像は『業(なり)兼(かね)本三十六歌仙』由来
 4 『素庵百人一首』後半の歌人画の由来
 5 旧時雨殿蔵『百人一首手鑑』『百人一首画帖』の出現
 6 『百人一首』の歌人画の変遷とかるた図像の大転換
第5章 文化となった「百人一首歌かるた」
 1 歌人画像つきの「百人一首歌かるた」を生んだ文化的な背景
 2 『百人一首手鑑』『百人一首画帖』発祥の歴史
 3 「百人一首歌かるた」の世界での女性書家、女性絵師の活躍
 4 江戸期の庶民文化と「百人一首」
第6章 「古型かるた」の刷新と「標準型かるた」の成立
 1 元禄年間に生じた歌仙絵の世界での指導権の争い
 2 江戸狩野派による歌仙絵の主導権の奪取
 3 宮廷絵画の世界での幕府による覇権の確立
 4 まとめ──「百人一首歌合せかるた」の発祥

おわりに──〈もの〉の力を信じて
 索 引

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