ピューリタン革命、名誉革命を通じて新興貿易商人が主張した交易の自由は、非国教徒が主張した信教の自由の論理と重なり、アイルランドや西インド諸島まで含めたブリテン帝国の形成に貢献した。パティキュラー・バプテスト派の商人ウィリアム・キッフィンの活動をつうじて、ロックの「労働に基づく所有」論にいたる17世紀イギリス思想の変遷を考察する。
大西 晴樹(オオニシ ハルキ)
1953年北海道生まれ
明治学院大学経済学部教授(西洋経済史、イギリス革命史)
主な業績
単著『イギリス革命のセクト運動〈増補改訂版〉』御茶の水書房、2000年
単著『ヘボンさんと日本の開化』NHK出版、2014年
共編著『マックス・ヴェーバー「倫理」論文を読み解く』キリスト教史学会編・教文館、2018年
共編著『〈帝国〉化するイギリス――17世紀商業社会と文化の様相』彩流社、2006年
共編著『イギリス革命論の軌跡――ヒルとトレヴァ=ローパー』蒼天社出版、2005年
共著『長老・改革教会来日宣教師事典』新教出版社、2003年
共著『イギリス近代史の新潮流――修正主義の近代史』彩流社、2000年
共著『近代ヨーロッパの探求・教会』ミネルヴァ書房、2000年
共著『マックス・ヴェーバーの新世紀――変容する日本社会の認識の転回』未來社、2000年、他。
第一章 ロンドン商人社会の動向とピューリタン革命
はじめに
第一節 ロンドン商人社会における支配層の交替
第二節 急進主義の背景としてのセクト、そして「反革命」
第三節 聖者支配の失敗と自由貿易
おわりに
第二章 ピューリタン革命とアイルランド
はじめに
第一節 全面的植民地化への推進力
第二節 クロムウェル・セツルメント
第三節 出資者の社会学的分析
おわりに
第三章 ピューリタン植民地帝国──西インド諸島・プロヴィデンス島会社
はじめに
第一節 社員とその目的
第二節 プロヴィデンス島の統治と産業
第三節 二種類の入植者
おわりに
第四章 ピューリタン革命と「商船船乗り」層──軍事財政国家の出発点
はじめに
第一節 「二段階の海軍革命」
第二節 商船船乗り層
第三節 革命期の海軍行政機関
第四節 軍備拡張
第五節 共和国海軍の特徴
おわりに──ジェントルマンとタールポウリン
第五章 クロムウェルと「意図せざる」植民地帝国
はじめに
第一節 アイルランド征服とクロムウェル・セツルメント
第二節 ピューリタン・ミッションの三角形
第三節 「神意による」西インド遠征
第四節 西インド諸島とピューリタン革命
おわりに
第六章 「ゼクテ」原理と「信教の自由」への道──バプテスト派貿易商人W・キッフィンの場合
はじめに
第一節 バプテスト教会の牧師に
第二節 信仰告白にみる「ゼクテ」原理
第三節 王政復古前後
第四節 迫害立法──クラレンドン法典について
第五節 市民的抵抗の主体──第二次秘密集会法に抗して
おわりに──名誉革命と「信教の自由」
第七章 「新興貿易商人」ウィリアム・キッフィン
はじめに
第一節 キッフィンによる「交易の自由」の実践
第二節 「商業革命」への道──キッフィンの多様な海上貿易
第三節 ギルド・家族・財産
おわりに
第八章 ウィリアム・キッフィンとジョン・ロック──交友・取引関係の記録が意味するもの
はじめに
第一節 バハマ諸島会社の出資者として
第二節 キッフィンとロックの交友・取引関係
おわりに──思想的交錯
補論 「デヴォンシア・スクエア・バプテスト教会」教会員の社会経済史的分析
あとがき
人名索引・事項索引
はじめに
第一節 ロンドン商人社会における支配層の交替
第二節 急進主義の背景としてのセクト、そして「反革命」
第三節 聖者支配の失敗と自由貿易
おわりに
第二章 ピューリタン革命とアイルランド
はじめに
第一節 全面的植民地化への推進力
第二節 クロムウェル・セツルメント
第三節 出資者の社会学的分析
おわりに
第三章 ピューリタン植民地帝国──西インド諸島・プロヴィデンス島会社
はじめに
第一節 社員とその目的
第二節 プロヴィデンス島の統治と産業
第三節 二種類の入植者
おわりに
第四章 ピューリタン革命と「商船船乗り」層──軍事財政国家の出発点
はじめに
第一節 「二段階の海軍革命」
第二節 商船船乗り層
第三節 革命期の海軍行政機関
第四節 軍備拡張
第五節 共和国海軍の特徴
おわりに──ジェントルマンとタールポウリン
第五章 クロムウェルと「意図せざる」植民地帝国
はじめに
第一節 アイルランド征服とクロムウェル・セツルメント
第二節 ピューリタン・ミッションの三角形
第三節 「神意による」西インド遠征
第四節 西インド諸島とピューリタン革命
おわりに
第六章 「ゼクテ」原理と「信教の自由」への道──バプテスト派貿易商人W・キッフィンの場合
はじめに
第一節 バプテスト教会の牧師に
第二節 信仰告白にみる「ゼクテ」原理
第三節 王政復古前後
第四節 迫害立法──クラレンドン法典について
第五節 市民的抵抗の主体──第二次秘密集会法に抗して
おわりに──名誉革命と「信教の自由」
第七章 「新興貿易商人」ウィリアム・キッフィン
はじめに
第一節 キッフィンによる「交易の自由」の実践
第二節 「商業革命」への道──キッフィンの多様な海上貿易
第三節 ギルド・家族・財産
おわりに
第八章 ウィリアム・キッフィンとジョン・ロック──交友・取引関係の記録が意味するもの
はじめに
第一節 バハマ諸島会社の出資者として
第二節 キッフィンとロックの交友・取引関係
おわりに──思想的交錯
補論 「デヴォンシア・スクエア・バプテスト教会」教会員の社会経済史的分析
あとがき
人名索引・事項索引
書評掲載
「web岩波 たねをまく」(2019年6月19日付)に掲載されました。
「歴史と地理」(2019年11月・728号/角田展子氏・評)に紹介されました。
「歴史学研究」(第999号、2020年8月発行/川分圭子氏・評)に紹 介されました
「経営史学」(55巻2号、2020年9月発行/岩間俊彦氏・評)に紹介されました。
「キリスト教史学」(74集2020年7月発行/小野賢一氏・評)に紹介されました。