イギリス産業革命期の子どもと労働
労働者の自伝から
ISBN978-4-588-64548-8 C1030 [2022年02月 刊行]
ジェーン・ハンフリーズ(ジェーン ハンフリーズ)
(Jane Humphries)
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済史部門の百周年記念教授。オックスフォード大学名誉教授。オール・ソウルズ・コレッジ、フェロー。専門は労働史、家族史、ジェンダー経済学など。Gender and Economics(編著、Edward Elgar, 1995)、The Cambridge Economic History of Modern Britain, Volume I(共著、Cambridge University Press, 2004)、“Unreal Wages? Real Income and Economic Growth in England, 1260–1850”(Jacob Weisdorfとの共著、The Economic Journal, Vol. 129, 2019. 本論文によって王立経済学会賞受賞)など著書・論文多数。本書『イギリス産業革命期の子どもと労働』は2011年にアメリカ経済史学会のジェルジ・ラーンキ賞を受賞。BBC4は、本書をもとにドキュメンタリー『ヴィクトリア時代をつくった子どもたち(The Children Who Built Victorian Britain)』(2011年)を制作し、ニューヨークで開催された国際歴史制作プログラムの2012年度最優秀賞を受賞した(ハンフリーズ自身が番組制作とナレーションを担当)。国際フェミニスト経済学会(IAFFE)の創設メンバーであり同学会の会長(1999–2000年)、イギリス経済史学会(EHS)の会長(2010–2013年)、アメリカ経済史学会(EHA)名誉副会長(2013–2014年)を歴任した。
原 伸子(ハラ ノブコ)
九州大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。法政大学経済学部教授。大原社会問題研究所所長(2012~15年度)。著書に『ジェンダーの政治経済学──福祉国家・市場・家族』(有斐閣、2016年)、『現代社会と子どもの貧困』(共編著、大月書店、2015年)、訳書にダンカン・K.フォーリー『資本論を理解する』(共訳、法政大学出版局、1990年)、K.マルクス著『資本論草稿集9』(共訳、大月書店、1994年)ほか。
山本 千映(ヤマモト チアキ)
一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。大阪大学大学院経済学研究科教授。論文に「産業革命とジェンダー──アレン=ハンフリーズ論争をめぐって」(浅田進史他編『グローバル経済史にジェンダー視点を接続する』日本経済評論社)、“Two Labour Markets in Nineteenth-century English Agriculture”(Rural History, 15(1))、共著に『グローバル経済の歴史』『西洋経済史』(いずれも有斐閣)ほか。
赤木 誠(アカギ マコト)
一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。松山大学経済学部准教授。論文に「イギリスにおける児童の扶養と手当──1943–45年の児童手当の制度設計をめぐる議論を中心に」(『大原社会問題研究所雑誌』第748号)、「英国における児童手当構想の定着、1939~1942年」(『歴史と経済』第231号)、「児童手当をめぐる対立・調整・協働」(『社会経済史学』第72巻4号)ほか。
齊藤 健太郎(サイトウ ケンタロウ)
ケンブリッジ大学大学院博士課程修了。PhD(History)。京都産業大学経済学部教授。
論文に 「20世紀初頭スコットランドにおける若年労働と徒弟制をめぐって」(『大原社会問題研究所雑誌』第748号)、“Deskilling or Reskilling? Toolmakers and the Engineering Industry Interwar Britain”(The Korean Journal of British Studies, Vol. 28)、“Industrial Contraction and Union Structure”(The East Asian Journal of British History, Vol. 3)ほか。
永島 剛(ナガシマ タケシ)
サセックス大学大学院博士課程修了。D. Phil.(History)。専修大学経済学部教授。論文に 「産業革命期イギリスにおける子どもたちの労働と健康」(『大原社会問題研究所雑誌』 第748号)、“Britain as a model for Japan’s modernization? Japanese views of contemporary British socio-economic history,” Twentieth Century British History(vol. 23)、共編著に 『衛生と近代──ペスト流行にみる東アジアの統治・医療・社会』(法政大学出版局)ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。凡例/図表一覧
序
第1章 序 論
第2章 史料、モデル、コンテクスト
はじめに
史 料
モデル
文 脈
結 論
第3章 家 族
はじめに
主流派家族史と家族構成の強調
家族史と自伝による証拠
家族の規模
家族構成
結 論
第4章 世帯経済
はじめに
生活水準についての主流派の議論と男性実質賃金の強調
父親の職業、所得および地位
男性稼ぎ主家族
母親の職業、経済活動、家族の福祉への貢献
母親の収入と家計所得への貢献
結 論
第5章 家族関係
はじめに
兄弟姉妹──仲間そしてライバル
親の利他的行為
父 親
母 親
母子の紐帯に関する含意
結 論
第6章 広範な親族
はじめに
家 系
広範な親族と支援の提供
日常の親族
結 論
第7章 仕事の開始
はじめに
仕事の開始
労働開始年齢と産業革命
労働の開始の要因
社会的規範
所得とニーズ
父親の収入
成人労働の利用可能性
戦争と戦後の混乱
母親の貢献
家族規模
家族の機能不全と解体
家族構成外の子ども
生産資源へのアクセス
労働開始年齢の決定要因
結 論
第8章 仕 事
はじめに
最初の仕事
大まかな職業グループによる最初の仕事の分布
労働過程における子ども
職業移動
報 酬
子どもの仕事と家族経済
職場における規律
結 論
第9章 徒弟制度
はじめに
徒弟制の広がりと傾向
徒弟の価値
徒弟契約
補強のメカニズム
徒弟制と労働力の産業への再配置
救貧徒弟と貧困の緩和
結 論
第10章 学校に行く
はじめに
産業革命期における識字能力と就学年数の趨勢
就学状況の決定要因
就学の費用便益
就学の費用
就学費用を減らす諸戦略
就学の便益
就学が職業・地位へどう帰結したかに関する簡単なモデル
構造的な諸要因
人口学的諸要因
就学の職業・社会的地位への帰結についての二段階最小二乗法モデル
労働者階級の学校の質
学校における暴力
結 論
第11章 結 論
訳者あとがき
文献一覧
人名索引
書評掲載
「図書新聞」(2022年09月03日号/・野々村淑子氏・評)に紹介されました。
「大原社会問題研究所雑誌」(2023年03月号、No.773、2023年03年01日発行/藤井透氏・評)に紹介されました。