ルドゥの建築と都市をめぐる構想は、「文字」と「言語」、「語り」についての方法論の模索でもあった。幻視的や奇矯といった形容とともに《呪われた建築家》とされてきた従来の像を刷新し、その特異性の本質を明らかにする。建築の起源としての幾何学性志向、都市構想と性愛、性的建築と身体管理、書物の構造が出来させる仮構的な都市空間──。新たな言語創造者による「都市の書法」の追究とともに、時代の認識と欲望のあり方を炙り出す。
小澤 京子(オザワ キョウコ)
1976年群馬県生まれ。専門領域は表象文化論(空間と身体のイメージ)。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター(UTCP)」特任研究員、埼玉大学、首都大学東京、青山学院大学非常勤講師を経て、現在、和洋女子大学人文学群准教授。主な著作に、『都市の解剖学――建築/身体の剥離・斬首・腐爛』(ありな書房、2011年。第3回表象文化論学会奨励賞受賞)、「COMME des GARÇONS、あるいは衣服という表面においていかに多様な性を上演しうるか」(分担執筆、西谷真理子編『相対性コム デ ギャルソン論――なぜ私たちはコム デ ギャルソンを語るのか』フィルムアート社、2012年)、「瞬間と持続、暴力と審美化の間で――リスボン大震災からフランス革命にいたる時期の廃墟イメージ」(分担執筆、神奈川大学人文学研究所編、熊谷謙介編著『破壊のあとの都市空間―ポスト・カタストロフィーの記憶』青弓社、2017年)など。
※上記内容は本書刊行時のものです。目次
序論
第一章 本著の概要と意義
第二章 ルドゥ研究の系譜
第三章 ルドゥの生涯、主な建築作品と『建築論』の経
第一部 建築は詩のごとく(Ut poesis architectura)
第一章 建築の綴字法
第二章 円と球体
第三章 「語る建築」とアルファベットの結合術
第四章 エンブレムとしての建築
第一部結語 文字と可読性
第二部 性的建築と身体管理の契機――醇化・教育・監視
第一章 建築の性的身体
第二章 文筆家ルドゥの陰画としての建築家サド
第三章 教育と労働における性的な契機
第二部結語 連帯と結合
第三部 書物の中の/書物としての理想都市
第一章 イメージとテクストの連関
第二章 入信儀礼から終末へ
第三章 イメージとテクストの協働と裏切り
第三部結語 世界のモデルとしての書物
第四部 世界創造主としての建築家
第一章 宇宙の建築家
第二章 宇宙と都市
第三章 眼としての建築(家)
第四部結語 世界創造の模倣と「建築の起源」の再演
結語
序論
第一章 本著の概要と意義
第二章 ルドゥ研究の系譜
第三章 ルドゥの生涯、主な建築作品と『建築論』の経
第一部 建築は詩のごとく(Ut poesis architectura)
第一章 建築の綴字法
第二章 円と球体
第三章 「語る建築」とアルファベットの結合術
第四章 エンブレムとしての建築
第一部結語 文字と可読性
第二部 性的建築と身体管理の契機――醇化・教育・監視
第一章 建築の性的身体
第二章 文筆家ルドゥの陰画としての建築家サド
第三章 教育と労働における性的な契機
第二部結語 連帯と結合
第三部 書物の中の/書物としての理想都市
第一章 イメージとテクストの連関
第二章 入信儀礼から終末へ
第三章 イメージとテクストの協働と裏切り
第三部結語 世界のモデルとしての書物
第四部 世界創造主としての建築家
第一章 宇宙の建築家
第二章 宇宙と都市
第三章 眼としての建築(家)
第四部結語 世界創造の模倣と「建築の起源」の再演
結語
書評掲載
「図書新聞」(2018年3月2日号/多賀茂氏・評)にて紹介されました。
「表象」(2018年12号/大橋完太郎氏・評)にて紹介されました。