全鎭晟(チョン ジンソン)
1966年生まれ。高麗大学校(ソウル)文科大学史学科(1989)および同大学院(1991)卒業。1998 年、フンボルト大学(ベルリン)博士学位取得。現在、国立釜山教育大学校社会教育科教授。
著書:Das Bild der Moderne in der Nachkriegszeit. Die westdeutsche “Strukturgeschichte” im Spannungsfeld von Modernitätskritik und wissenschaftlicher Innovation 1948-1962, München: R. Oldenbourg Verlag, 2000; The Conservative Revolution: A Nihilistic Ideal of German Intellectuals, Seoul: Chaek-Se-Sang,2001(ハングル); The Making of Museum, Seoul: Sallim, 2004(ハングル); History Tells Memory: Cultural History of Memory for Theory and Praxis, Seoul: Humanist, 2005(ハングル); Their Lives Are Going On: About the Korean Atomic Bomb Victims, Seoul: Humanist, 2008(ハングル)
佐藤 静香(サトウ シズカ)
東北大学大学院経済学研究科博士課程後期単位取得退学。東北大学大学院経済学研究科研究戦略推進センターを経て、青森大学総合経営学部准教授(社会政策、韓国労働経済)。
論 文:「韓国における大卒ホワイトカラーのキャリア管理と早期退職」(『大原社会問題研究所雑誌』第596 号)、「韓国財閥企業における大卒ホワイトカラーの賃金管理」(『大原社会問題研究所雑誌』第536 号)ほか。
翻 訳:尹辰浩「韓国の労働時間短縮過程と今後の課題」(『大原社会問題研究所雑誌』第573 号)、キム・ヨンハン「韓国の西洋史研究」(『思想』第1091 号)ほか。
序 文
凡 例
プロローグ 「近代」というスライドイメージ
ソウルの中心に落ちる影
モダニティの裏面
建築と都市景観、政治的テクノロジー
第Ⅰ部 プロイセン古典主義を求めて
第1 章 ベルリン、中部ヨーロッパのアテネ
シュプレー河畔のアテネ──ギリシャブームとドイツの民族文化
プロイセンとアテネ
フリードリヒ広場
第2 章 民族と国王のあいだで
──プロイセンの宮廷建築家シンケル
美的革命としてのプロイセン古典主義
プロイセン古典主義の夜明け、新衛兵所
王立劇場と旧博物館そして遊園地
第3 章 テクトニックとプロイセンの国家理念
テクトニックの原理
国家テクトニック
時間のテクトニック、歴史
歴史主義者シンケル
第4 章 ドイツ帝国の歴史主義建築
「文化民族」と歴史主義建築
シンケルの継承者ゴットフリート・ゼンパー
歴史主義建築の本領、ネオルネサンス様式
帝国主義の尖兵、ネオバロック建築
第5 章 歴史主義と都市計画
シンケルとレンネの新古典主義都市建築
ホープレヒト計画案
現代的都市計画の登場
シュプレー河畔のアテネからシュプレー河畔のシカゴへ
第Ⅱ部 アジアのプロイセンをこえて
第1 章 ドイツ歴史主義建築の決定版、青島
文化帝国主義
ドイツ帝国の東アジア拠点都市青島
イギリスとフランスの植民地都市との差別性
青島の都市計画と歴史主義建築
第2 章 明治日本とプロイセン
──岩倉使節団の視線
日本の西欧化
『実記』の基本路線
西欧世界の体験
『実記』におけるプロイセンの位相
第3 章 国家的テクトニックとしての帝国憲法
「アジアのプロイセン」を夢みて
プロイセン式憲法の制定
「国体」の具現としての帝国憲法
西欧化と日本化
日本の文化ナショナリズム
第4 章 東京の発明
江戸から東京へ
銀座煉瓦街の登場
「官庁集中計画」と中心の発明
「東京市区改正条例」
第5 章 「ヴィクトリア」あるいは「ヴィルヘルム」?
──明治時代の 公共建築
イギリス人建築家ジョサイア・コンドルが及ぼした影響
日本近代建築の代名詞辰野金吾
ドイツ派の建築家妻木頼黄
帝国の道具であり図像としての建築
第Ⅲ部 アテナの不気味なスライドイメージ
第1 章 都市計画と植民地主義
帝国日本の偏執症と統合失調症
日本式都市計画の誕生
帝都復興計画から植民地都市計画へ
満州国の首都新京の可視的モダニティ
第2 章 漢城から京城へ
漢城府都市改造事業
京城市区改修事業
都市計画の合理性?
「朝鮮市街地計画令」
都市計画の植民地性
第3 章 シンケルに捧げるオマージュ?
──景福宮前に建てた朝鮮総督府庁舎
「景福宮なくなるなあ」
景福宮の理念
景福宮の残酷な運命
朝鮮総督府庁舎の登場
朝鮮総督府庁舎の建築的特徴と空間性
時空間の植民地化
第4 章 京城の歴史主義建築物
度支部建築所が移植したプロイセン古典主義
鮮銀前広場の台頭
一九二〇年代の歴史主義建築
京城のモダニズム建築
メランコリーの都市
第5 章 総督府庁舎と景福宮のはざまで
モダニティと植民地性の戦場
テクトニックの戯画──汝矣島国会議事堂
大韓民国の文化ナショナリズム
歴史の立てなおし?
エピローグ 記憶の場と希望の空間
シュプレー河畔のアテネの復活
希望を夢みる空間
謝 辞
参考文献
訳者あとがき