産業革命には、煤煙と貧困が都市を覆う蒸気力の時代に先立ち、水明の地に共同体の理想を追う水力の時代があった。その先駆的事例を、英国のイングランドとスコットランド、米国の大西洋岸北部に探り、水力工業における立地の社会的・地理的な条件、技術の進化と系譜、従業員の生活環境、工場や労働者の住居を含む集落・都市空間の知られざる実態を明らかにするとともに、産業遺産の保存と活用にも言及する。
水田 恒樹(ミズタ ツネキ)
1949年北海道生まれ。京都大学工学部建築学科卒業、同大学院修士課程修了。株式会社竹中工務店に勤務して一級建築士。同社の留学制度により、米国イェール大学メディカルスクールにて医療管理学修士課程を修了。東邦大学医学部病院管理学教室に研究生として所属、論文「医療圏に関する実証的研究──政令指定都市における二次医療圏の設定」により医学博士。医療福祉本部長などを経て、竹中工務店を定年退職後、法政大学大学院に入学。2014年に課程を修了し、論文「河川の活動と都市の形成が相互に与えた影響に関する研究」により工学博士。現在、法政大学エコ地域デザイン研究センター客員研究員。共著に『医療科学』、同第二版(医学書院、1995年、2000年)、『水の都市江戸・東京』(講談社、2013年)。
※上記内容は本書刊行時のものです。はじめに
第Ⅰ部 水力工業の先進事例
第一章 中近世の水車集落、カースルクーム(イングランド)
第二章 盆地の水力工場集落、ベルパー(イングランド)
第三章 渓谷の水力工場集落、ニューラナーク(スコットランド)
第四章 氷河湖の水力工場集落、スレイターズヴィル(ロードアイランド州)
第五章 複雑な地形の水力工業都市、ローウェル(マサチューセッツ州)
第六章 広大な河岸段丘の水力工業都市、マンチェスター(ニューハンプシャー州)
第Ⅱ部 水力工業の地理と技術と都市空間
第七章 水力工業の自然地理
第八章 水力工業の系譜と技術革新
第九章 水力工業と都市計画
第十章 水力工業の現代的意義と遺構の保存
あとがき
第Ⅰ部 水力工業の先進事例
第一章 中近世の水車集落、カースルクーム(イングランド)
第二章 盆地の水力工場集落、ベルパー(イングランド)
第三章 渓谷の水力工場集落、ニューラナーク(スコットランド)
第四章 氷河湖の水力工場集落、スレイターズヴィル(ロードアイランド州)
第五章 複雑な地形の水力工業都市、ローウェル(マサチューセッツ州)
第六章 広大な河岸段丘の水力工業都市、マンチェスター(ニューハンプシャー州)
第Ⅱ部 水力工業の地理と技術と都市空間
第七章 水力工業の自然地理
第八章 水力工業の系譜と技術革新
第九章 水力工業と都市計画
第十章 水力工業の現代的意義と遺構の保存
あとがき
書評掲載
「図書新聞」(2022年07月30日号/図書新聞2022年上半期読書アンケート/布野修司氏・評)に紹介されました。
「土木学会誌」(Vol.107 No.8 August 2022、2022年8月発行)に紹介されました。