叢書・ウニベルシタス 1093
理性の病理
批判理論の歴史と現在
ISBN978-4-588-01093-4 C1310 [2019年05月 刊行]
アクセル・ホネット(ホネット アクセル)
(Axel Honneth)
1949年ドイツのエッセンで生まれる。1983年にベルリン自由大学で哲学の博士号を取得。ゲーテ大学フランクフルト・アム・マイン哲学・歴史学部教授、フランクフルト社会研究所所長、国際ヘーゲル学会会長などを歴任、現在はコロンビア大学人文学部哲学科教授。フランクフルト学派第三世代の代表的存在。邦訳された主な著作に、『権力の批判──批判的社会理論の新たな地平』、『承認をめぐる闘争──社会的コンフリクトの道徳的文法〔増補版〕』、『正義の他者──実践哲学論集』、『物象化──承認論からのアプローチ』、『見えないこと──相互主体性理論の諸段階について』、『私たちのなかの私──承認論研究』、ナンシー・フレイザーとの論争的共著『再配分か承認か?──政治・哲学論争』(以上、法政大学出版局)などがある。
出口 剛司(デグチ タケシ)
1969年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。理論社会学、社会学史。主な著作に、“Erich Fromm and Critical Theory in post-war Japanese social Theory: Its past, Present and Future,” in Towards a Human Science: The Relevance of Erich Fromm for Today, eds. Rainer Funk and Neil McLaughlin (Gießen, Germany: Psychosozial-Verlag, 2015), 『作田啓一vs.見田宗介』(共著、弘文堂、2016年)、アクセル・ホネット『私たちのなかの私――承認論研究』(共訳、法政大学出版局、2017年)。
宮本 真也(ミヤモト シンヤ)
1968年生まれ。明治大学情報コミュニケーション学部教授。社会哲学、社会理論。主な著作に、『科学化する日常の社会学』(共著、世界思想社、2013年)、アクセル・ホネット『物象化――承認論からのアプローチ』(共訳、法政大学出版局、2011年)、アクセル・ホネット『見えないこと――相互主体性理論の諸段階について』(共訳、法政大学出版局、2015年)など。
日暮 雅夫(ヒグラシ マサオ)
1958年生まれ。立命館大学産業社会学部教授。社会哲学。主な著作に、『討議と承認の社会理論――ハーバーマスとホネット』(勁草書房、2008年)、『現代社会理論の変貌――せめぎ合う公共圏』(共編、ミネルヴァ書房、2016年)、アクセル・ホネット『私たちのなかの私――承認論研究』(共訳、法政大学出版局、2017年)など。
片上 平二郎(カタカミ ヘイジロウ)
1975年生まれ。立教大学社会学部社会学科准教授。理論社会学、現代文化論。主な著作に、『アドルノという「社会学者」――社会の分光と散乱する思想』(晃洋書房、2018年)、『「ポピュラーカルチャー論」講義――時代意識の社会学』(晃洋書房、2017年)、『作田啓一vs.見田宗介』(共著、弘文堂、2016年)など。
長澤 麻子(ナガサワ アサコ)
立命館大学文学部教授。哲学。主な著作に、「シュヴェイクは誰か?」(市川明・木村英二・松本ヒロ子編『世紀を超えるブレヒト』郁文堂、2005年)、シュテファン・ミュラー゠ドーム 『アドルノ伝』(共訳、作品社、2007年)、マルティン・ゼール『自然美学』(共訳、法政大学出版局、2013年)など。
※上記内容は本書刊行時のものです。序言
第1章 後戻りできない進歩──道徳と歴史との関係についてのカントの見解
第2章 理性の社会的病理──批判理論の知的遺産をめぐって
第3章 系譜学的態度留保の下での再構成的社会批判──フランクフルト学派における「批判」の理念
第4章 資本主義的生活形式の観相学──アドルノの社会理論の素描
第5章 遂行される正義──アドルノ『否定弁証法』の「序論」について
第6章 神聖なるものの歴史哲学的救済──ベンヤミンの「暴力批判」論
第7章 自由の獲得──個人の自己関係というフロイトの構想
第8章 不安と政治──フランツ・ノイマンによる病理診断の長所と短所
第9章 民主主義と内面の自由──アレクサンダー・ミッチャーリッヒの批判的社会理論への貢献
第10章 コミュニケーション的理性の不協和音──アルブレヒト・ヴェルマーと批判理論
補遺 認識手段としての奇想──規格化された知識人の時代における社会批判
初出一覧
訳者あとがき
人名索引