叢書・ウニベルシタス 1056
私たちのなかの私
承認論研究
ISBN978-4-588-01056-9 C1310 [2017年05月 刊行]
アクセル・ホネット(ホネット アクセル)
(Axel Honneth)
1949 年ドイツのエッセンで生まれる。1983 年にベルリン自由大学で哲学の博士号を取得。現在はゲーテ大学フランクフルト・アム・マイン哲学・歴史学科教授、フランクフルト社会研究所所長、コロンビア大学哲学科教授、国際ヘーゲル学会会長を務める。フランクフルト学派第三世代の代表的存在。邦訳された主な著作に、『権力の批判──批判的社会理論の新たな地平』、『承認をめぐる闘争──社会的コンフリクトの道徳的文法〔増補版〕』、『正義の他者──実践哲学論集』、『物象化──承認論からのアプローチ』、『見えないこと──相互主体性理論の諸段階について』、ナンシー・フレイザーとの論争的共著『再配分か承認か?──政治・哲学論争』(以上、法政大学出版局)、『自由であることの苦しみ──ヘーゲル『法哲学』の再生』(未來社)がある。
日暮 雅夫(ヒグラシ マサオ)
1958年生まれ。立命館大学産業社会学部教授。社会哲学。主な著作に、『討議と承認の社会理論──ハーバーマスとホネット』(勁草書房、2008年)、『現代社会理論の変貌──せめぎ合う公共圏』(共著、ミネルヴァ書房、2016年)、アクセル・ホネット『見えないこと──相互主体性理論の諸段階について』(共訳、法政大学出版局、2015年)など。
三崎 和志(ミサキ カズシ)
1963年生まれ。東京慈恵会医科大学医学部教授。哲学。主な著作に、『西洋哲学の軌跡──デカルトからネグリまで』(共編、晃洋書房、2012年)、『マルクスの構想力──疎外論の射程』(共著、社会評論社、2010年)、コンラート・オット/マルチン・ゴルケ編『越境する環境倫理学──環境先進国ドイツの哲学的フロンティア』(共訳、現代書館、2010年)など。
出口 剛司(デグチ タケシ)
1969年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。理論社会学、社会学史。主な著作に、『エーリッヒ・フロム──希望なき時代の希望』(新曜社、2002年)、『作田啓一 vs. 見田宗介』(共著、弘文堂、2016年)、「『ポスト真実』における社会学理論の可能性──批判理論における理論の機能を手がかりにして」(『現代思想』2017年3 月号)など。
庄司 信(ショウジ マコト)
1958年生まれ。日本赤十字秋田看護大学非常勤講師。社会哲学・社会学。主な著作に、「自己形成論序説」(秋田経済法科大学編『経済学部紀要』第28 号、1998年)、ユルゲン・ハーバーマス『自然主義と宗教の間──哲学論集』(共訳、法政大学出版局、2014年)、クリスティアン・ボルフ『ニクラス・ルーマン入門』(単訳、新泉社、2014年)など。
宮本 真也(ミヤモト シンヤ)
1968年生まれ。明治大学情報コミュニケーション学部准教授。社会哲学、
社会理論。主な著作に、『コミュニケーション社会学入門』(共著、世界思想社、2003年)、アクセル・ホネット『物象化──承認論からのアプローチ』(共訳、法政大学出版局、2011年)、シュテファン・ミュラー=ドーム『アドルノ伝』(共訳、作品社、2007年)など。
第Ⅰ部 ヘーゲル的根源
第1章 欲望から承認へ──ヘーゲルの自己意識の基礎づけ
第2章 実現された自由の国──ヘーゲル『法哲学』の構想
第Ⅱ部 体系的帰結
第3章 正義の織物──現代における手続き主義の限界について
第4章 労働と承認──新たな理論的規定の試み
第5章 イデオロギーとしての承認──道徳と権力の関連について
第6章 社会的なものの液状化──リュック・ボルタンスキーとローラン・テヴノーの社会理論について
第7章 社会研究としての哲学──デイヴィッド・ミラーの正義論によせて
第Ⅲ部 社会理論的適用
第8章 国家間の承認──国家間関係の道徳的基盤
第9章 組織化された自己実現──個人化のパラドクス
第10章 資本主義的近代化のパラドクス──研究のためのプログラム(マーテイン・ハルトマンとの共著)
第Ⅳ部 精神分析的拡張
第11章 否定性の仕事──精神分析の承認論的修正
第12章 私たちのなかの私──集団の駆動力としての承認
第13章 前社会的自己の諸相──ジョエル・ホワイトブックへの反論
第14章 現実が力を失うとき──慰めの世俗的形態
初出一覧
訳者あとがき
人名索引
書評掲載
「出版ニュース」(2017年7月下旬号)にて紹介されました。
「図書新聞」(2017年11月11日号/辰巳伸知氏・評)にて紹介されました。
「読書人」(2017年11月17日号/片岡大石氏・評)にて紹介されました。