叢書・ウニベルシタス 1057
美学講義
ISBN978-4-588-01057-6 C1310 [2017年04月 刊行]
G.W.F.ヘーゲル(ゲオルク ヴィルヘルム フリードリヒ ヘーゲル)
(Georg Wilhelm Friedrich Hegel)
1770年、南ドイツのシュトゥットガルトで生まれ、テュービンゲンの神学校で哲学と神学を学んだのち、イエナ大学講師、ハイデルベルク大学教授、ベルリン大学教授となる。発表した本は6点、翻訳『カル親書』(1798年)、小著『差異論文』(1801年)、主著『精神現象学』(1807年)、大著『論理学』(1812–16年)、教科書『エンチクロペディー』(1817年、1827年、1830年)、教科書『法哲学綱要』(1821年)である。1831年にコレラで急死。その後、全18巻のベルリン版『ヘーゲル全集』(1832–45年)が出版される。前半は著作集で、後半は歴史・芸術・宗教・哲学の講義録である。大学での講義を通して「学問の体系」を構築し、ドイツ観念論の頂点に立って西洋の哲学を完成した。
寄川 条路(ヨリカワ ジョウジ)
1961年、福岡県生まれ。ボーフム大学大学院修了、文学博士。現在、明治学院大学教授。単著に『新版 体系への道』(創土社、2010年)、『ヘーゲル哲学入門』(ナカニシヤ出版、2009年)、『ヘーゲル『精神現象学』を読む』(世界思想社、2004年)、共著に『ヘーゲル講義録入門』(法政大学出版局、2016年)、共訳にオットー・ペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』(法政大学出版局、2015年)、『初期ヘーゲル哲学の軌跡──断片・講義・書評』(ナカニシヤ出版、2006年)など。
石川 伊織(イシカワ イオリ)
1956年、東京都生まれ。法政大学大学院修了、文学修士。現在、新潟県立大学教授。単著に『倫理の危機?──「個人」を超えた価値の再構築へ』(廣済堂出版、2002年)、共著に『ヘーゲルを学ぶ人のために』(世界思想社、2001年)、『ヘーゲル哲学への新視角』(創文社、1999年)、『近世ドイツ哲学論考──カントとヘーゲル』(法政大学出版局、1993年)など。
小川 真人(オガワ マサト)
1965年、東京都生まれ。東京藝術大学大学院修了、美術博士。現在、東京工芸大学教授。単著に『ヘーゲルの悲劇思想』(勁草書房、2001年)、共訳にオットー・ペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』(法政大学出版局、2015年)、マルティン・ゼール『自然美学』(法政大学出版局、2013年)、G.ベーメ『感覚学としての美学』(勁草書房、2005年)など。
瀧本 有香(タキモト ユカ)
1988年、福井県生まれ。早稲田大学大学院修了、文学修士。現在、日本学術振興会特別研究員。共著に『ヘーゲル講義録入門』(法政大学出版局、2016年)論文に「シェリングとヘーゲル──その芸術観と芸術の地位」(『哲学世界』第37号、2014年)、「ヘーゲル美学における有機体の美しさ」(『哲学世界』別冊第5号、2013年)、共訳にオットー・ペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』(法政大学出版局、2015年)など。
※上記内容は本書刊行時のものです。序 論
芸術の概念
芸術の区分
一 象徴的な芸術
二 古典的な(完全な)芸術
三 ロマン的な(近代的な)芸術
第一部 一般部門
第一編 芸術の一般部門
第一章 美の概念
第二章 美と精神の関係について
第三章 自然美と芸術美の区別
第二編 芸術の特殊部門
第一章 芸術の象徴形式
第一節 自然の象徴、あるいは物理的なものの象徴
第二節 真に象徴的なもの
第三節 意味と表現が並置される段階、あるいは特殊における象徴
イソップ物語
メルヘン
たとえ話と教訓話
謎かけ
風 諭
隠 喩
直 喩
第二章 芸術の古典形式
第一節 概念、思考それ自体、もっとも優れたもの
古典的な崇高
第三章 ロマン的芸術
第一節 宗教の素材
第二節 素材によってこの原理が世界と人間へ歩み入ること
栄 誉
愛
忠 誠
第三節 素材によってこの原理がまったく形式的になること
第二部 特殊部門
第一編 造形芸術
第一章 建 築
第一節 象徴的建築
第二節 古典的建築
第三節 ゴシック建築
付 録 造園術
第二章 彫 刻
第一節 エジプトの彫刻
第二節 古典的彫刻
第三章 絵 画
第一節 絵画の題材と実物について
第二節 特性一般
第三節 情景一般、特定の情感の表現
第四節 色彩と色調について
第二編 音 楽
第三編 語りの芸術
韻律化の二つのシステム
詩の三大形式
第一章 叙事詩
叙事詩の主要契機
第二章 叙情詩
第三章 劇 詩
第一節 悲劇と喜劇
第二節 喜 劇
訳 注
訳者あとがき
訳者紹介
作品名索引
人名索引