叢書・ウニベルシタス 922
社会の社会 2 〈新装版〉
ISBN978-4-588-14041-9 C1336 [2017年05月 刊行]
N.ルーマン(ルーマン ニクラス)
(Niklas Luhmann)
1927年ドイツのリューネブルクに生まれる。1968‐1993年ビーレフェルト大学社会学部教授。70年代初頭にはハーバーマスとの論争により名を高め、80年代以降「オートポイエーシス」概念を軸とし、ドイツ・ロマン派の知的遺産やポスト構造主義なども視野に収めつつ、新たな社会システム理論の構築を試みた。90年前後よりこの理論を用いて現代社会を形成する諸機能システムの分析を試み、その対象は経済、法、政治、宗教、科学、芸術、教育、社会運動、家族などにまで及んだ。1998年没。『宗教論』『近代の観察』『社会の法』『社会の芸術』『社会の社会』『社会の科学』『社会の政治』『社会構造とゼマンティク』『社会の宗教』(以上、法政大学出版局)など邦訳多数。
馬場 靖雄(ババ ヤスオ)
1957年、新潟県生まれ。1988年、京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、大東文化大学経済学部教授。著書:『ルーマンの社会理論』(勁草書房)、『反=理論のアクチュアリティー』(編著、ナカニシヤ出版)、『社会学のアリーナへ』(共著、東信堂)他。翻訳:N. ルーマン『近代の観察』『社会の芸術』『社会の社会』(法政大学出版局)他。
赤堀 三郎(アカホリ サブロウ)
1971年、宮城県生まれ。2003年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会学)。現在、東京女子大学現代教養学部教授。論文:「社会システムのオートポイエティック・モデル──ゴードン・パスクの会話理論を手がかりに」(『社会・経済システム』24号)、「社会学的システム理論における自己言及パラダイムの由来」(『東京女子大学社会学会紀要』34号)、「戦後アメリカにおけるサイバネティクスと社会学」(『東京女子大学社会学会紀要』37号)他。
菅原 謙(スガワラ ケン)
1964年、宮城県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程単位取得退学。現在、宮城大学人文科学系准教授。著書:『市民社会と批判的公共性』(共著、文眞堂)他。論文:「(社会)制度の諸概念について」(『社会学年誌』50)他。翻訳:『間主観性の社会学』(共訳、新泉社)他。
高橋 徹(タカハシ トオル)
1970年、宮城県生まれ。2001年、東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、中央大学法学部教授。著書:『意味の歴史社会学─―ルーマンの近代ゼマンティク論』(世界思想社)、『滲透するルーマン理論─―機能分化論からの展望』(共著、文眞堂)他。翻訳:N. ルーマン『社会構造とゼマンティク3』(共訳、法政大学出版局)他。
※上記内容は本書刊行時のものです。I システム分化
II システム分化の諸形式
III 包摂と排除
IV 環節分化
V 中心と周辺
VI 階層化された全体社会
VII 機能システムの分出
VIII 機能分化した社会
IX 自律性と構造的カップリング
X 刺激と価値
XI 全体社会にとっての帰結
XII グローバル化と地域化
XIII 相互作用と全体社会
XIV 組織と全体社会
XV 抗議運動
第五章 自己記述
I 全体社会の到達可能性
II 主体でも客体でもなく
III 自己観察と自己記述
IV ヨーロッパ旧来のゼマンティク(1)──存在論
V ヨーロッパ旧来のゼマンティク(2)──全体と部分
VI ヨーロッパ旧来のゼマンティク(3)──政治と倫理
VII ヨーロッパ旧来のゼマンティク(4)──学校の伝統
VIII ヨーロッパ旧来のゼマンティク(5)──野蛮から(自己)批判へ
IX 機能システムの反省理論
X メディア-ゼマンティクにおける対立
XI 自然とゼマンティク
XII 時間化
XIII 主体への逃走
XIV 道徳の普遍化
XV 《諸国=諸国民Nationen》の区別
XVI 階級社会
XVII 同一性のパラドックスと、区別によるその展開
XVIII 近代化
XIX 記述形式としての情報リスク
XX マスメディアと、マスメディアによる自己記述の選択
XXI 不可視化──観察者という《マークされない状態》とその移動
XXII 反省されたオートロジー──全体社会の中での、全体社会の社会学的記述
XXIII いわゆるポストモダン
原註・訳註
訳者あとがき
索引