「生命の尊厳」の語で、「生命」を値踏みする誘惑を決然と退けたはずの「尊厳」が、「尊厳ある生命」の語によって「生命」の選別を招き入れかねない。戦争の比喩でも語られるコロナ・パンデミックは、特にそれを顕在化させた。限られた医療資源とトリアージ、ワクチンの分配と格差、先端医療、ゲノム編集、自己決定、出生前・着床前診断、終末期医療・ケア、文学、政治など多様な領域の喫緊の問題として「尊厳」を論じる。
加藤 泰史(カトウ ヤスシ)
1956年生まれ。椙山女学園大学国際コミュニケーション学部教授、一橋大学名誉教授。哲学・倫理学。『スピノザと近代――ドイツ思想史の虚軸』(編著、岩波書店、2022年)、Kant’s Concept of Dignity, Berlin, Boston: De Gruyter, 2019 (Gerhard Schönrichとの共編著)、「公共と尊厳」(『思想』第1139号、2019年)、ほか。
後藤 玲子(ゴトウ レイコ)
1958年生まれ。一橋大学博士(経済学)。帝京大学経済学部・先端総合機構教授、一橋大学名誉教授。『潜在能力アプローチ――倫理と経済』(岩波書店、2017年)、『福祉の経済哲学――個人・制度・公共性』(ミネルヴァ書房、2015年)、『正義の経済哲学――ロールズとセン』(東洋経済新報社、2002年)、ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。編者前書き コロナ・パンデミック下で「生存」/「生命」が「尊厳」概念を問い直す(加藤泰史)
第Ⅰ部 コロナ・パンデミックと尊厳の問題
第一章 人間の尊厳と生命権──コロナ・トリアージと「人間の尊厳」(加藤泰史)
第二章 新型コロナウイルス感染症と医療資源配分(美馬達哉)
第三章 グローバルなワクチン分配のための倫理的枠組み──公正な優先モデルはワクチンの公正かつ衡平な分配という誓約を実現するための実践的方法を提供する(エゼキエル・J・エマニュエルほか/栗林寛幸゠訳)
第四章 感染症文学・生命・尊厳(ギブソン松井佳子)
第五章 韓国のCOVID-19対処における「戦い」のメタファー(諸昭喜)
◎コラム1 死者の尊厳とコロナ・パンデミック(隠岐–須賀麻衣)
第Ⅱ部 現代思想と尊厳の対話
第一章 リベラリズムと尊厳──魂の質素な生い立ちと傷つきやすさ(後藤玲子)
第二章 人間存在のアンチノミー──ソフィー・ノールマンにおける超越の現象学と尊厳(馬場智一)
第三章 生と超越──生命論の生命疎外に抗して(品川哲彦)
第四章 人間の尊厳と生命倫理──批判的哲学からのアプローチ(ジルベール・オトワ/岩佐宣明゠訳)
◎コラム2 「終末期医療・ケア」関連図書案内(小林道太郎)
第Ⅲ部 先端医療と尊厳の問題
第一章 遺伝子改変人間の時代と日本(香川知晶)
◎コラム3 自己決定と命(宇佐美公生)
第二章 ヒトの生殖細胞系列に対するゲノム編集研究──ドイツにおいても新たな議論を行うことを支持する(ベッティナ・シェーネ゠ザイファート/桐原隆弘゠訳)
第三章 ヒト遺伝子研究における「ロシアンルーレット」?(ベッティナ・シェーネ゠ザイファート/桐原隆弘゠訳)
第四章 中国におけるゲノム編集の倫理学的議論について(魏偉+李亜明)
◎コラム4 「出生前・着床前診断」関連図書案内──人間の尊厳の観点から(小椋宗一郎)
第五章 遺伝子編集の倫理(金相得/水野邦彦゠訳)
◎参考資料 〔韓国〕生命倫理および安全に関する法律(略称:生命倫理法)(水野邦彦゠訳)
編者後書き その生命/生存の条件は人の尊厳を満たすものですか?(後藤玲子)
執筆者・訳者紹介
第Ⅰ部 コロナ・パンデミックと尊厳の問題
第一章 人間の尊厳と生命権──コロナ・トリアージと「人間の尊厳」(加藤泰史)
第二章 新型コロナウイルス感染症と医療資源配分(美馬達哉)
第三章 グローバルなワクチン分配のための倫理的枠組み──公正な優先モデルはワクチンの公正かつ衡平な分配という誓約を実現するための実践的方法を提供する(エゼキエル・J・エマニュエルほか/栗林寛幸゠訳)
第四章 感染症文学・生命・尊厳(ギブソン松井佳子)
第五章 韓国のCOVID-19対処における「戦い」のメタファー(諸昭喜)
◎コラム1 死者の尊厳とコロナ・パンデミック(隠岐–須賀麻衣)
第Ⅱ部 現代思想と尊厳の対話
第一章 リベラリズムと尊厳──魂の質素な生い立ちと傷つきやすさ(後藤玲子)
第二章 人間存在のアンチノミー──ソフィー・ノールマンにおける超越の現象学と尊厳(馬場智一)
第三章 生と超越──生命論の生命疎外に抗して(品川哲彦)
第四章 人間の尊厳と生命倫理──批判的哲学からのアプローチ(ジルベール・オトワ/岩佐宣明゠訳)
◎コラム2 「終末期医療・ケア」関連図書案内(小林道太郎)
第Ⅲ部 先端医療と尊厳の問題
第一章 遺伝子改変人間の時代と日本(香川知晶)
◎コラム3 自己決定と命(宇佐美公生)
第二章 ヒトの生殖細胞系列に対するゲノム編集研究──ドイツにおいても新たな議論を行うことを支持する(ベッティナ・シェーネ゠ザイファート/桐原隆弘゠訳)
第三章 ヒト遺伝子研究における「ロシアンルーレット」?(ベッティナ・シェーネ゠ザイファート/桐原隆弘゠訳)
第四章 中国におけるゲノム編集の倫理学的議論について(魏偉+李亜明)
◎コラム4 「出生前・着床前診断」関連図書案内──人間の尊厳の観点から(小椋宗一郎)
第五章 遺伝子編集の倫理(金相得/水野邦彦゠訳)
◎参考資料 〔韓国〕生命倫理および安全に関する法律(略称:生命倫理法)(水野邦彦゠訳)
編者後書き その生命/生存の条件は人の尊厳を満たすものですか?(後藤玲子)
執筆者・訳者紹介
執筆者・訳者紹介
美馬達哉(ミマ・タツヤ)
立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。医療社会学・脳神経内科学・神経科学。『感染症社会――アフターコロナの生政治』(人文書院、2020年)、『生を治める術としての近代医療――フーコー『監獄の誕生』を読み直す』(現代書館、2015年)、「クリスパー(CRISPR)哲学とラマルクの危険な思想」(『現代思想』、2021年10月号)、ほか。
エゼキエル・J・エマニュエル(Ezekiel J. Emanuel)
ペンシルバニア大学グローバル・イニシアチブ副学長兼医療倫理・健康政策学部長。医師・医療倫理学者。WHO 事務局長の特別補佐も務める。オバマ政権の医療保険制度改革「オバマ・ケア」で主導的役割を果たし、2020年11月にはバイデン大統領によって新型コロナウイルス感染症対策諮問委員会のメンバーに選ばれている。
ヘンリー・S・リチャードソン(Henry S. Richardson)
ジョージタウン大学哲学科教授兼ケネディ倫理研究所上級研究員。政治哲学・倫理学・実践的推論。学術雑誌Ethics の編集長、ユネスコ「科学的知識と技術の倫理に関する世界委員会」委員、開発のための学際的学会Human Development and Capability Association会長などを歴任。
栗林寛幸(クリバヤシ・ヒロユキ)
東京大学特任研究員(医療倫理学)、翻訳家。翻訳:ピーター・テミン『なぜ中間層は没落したのか』(栗林寛幸訳、慶應義塾大学出版会、2020年)、翻訳:マイケル・マーモット『健康格差』(栗林寛幸監訳、日本評論社、2017年)、ほか。
ギブソン松井佳子(ギブソン・マツイ・ケイコ)
神田外語大学外国語学部教授。「文学の経験表現から考究できる〈尊厳〉の諸相」(『尊厳と社会(上)』法政大学出版局、2020年)、「翻訳学と脱構築のはざまで考える「社会正義」」(『〈翻訳〉のさなかにある社会正義』、東京大学出版会、2018年)、“Re-examining Human Dignity in Literary Texts: In Seeking for a Continuous Dialogue Between the Conceptual and the Empirical Approaches”, Dialog: A Journal of Theology, volume 56, Number 1, 2017, ほか。
諸昭喜(チェ・ソヒ)
国立民族学博物館グローバル現象研究部助教。人類学。「産後風の風と望」(共著『痛みからみえてくること――韓国社会の痛みに関する人類学報告書』、〔韓国〕フマニタス、2021年)、「韓国女性のソーシャル・サファリングの身体化「産後風」の語りを中心に」(『日本ジェンダー研究』21、2018年)、「東洋医学における疾患の社会的構築――韓国の産後風を事例として」(『人体科学』27(1)、2018年)、ほか。
隠岐-須賀麻衣(オキ-スガ・マイ)
国士舘大学政経学部講師。„Die φύσις der Philosophen und der Nicht-Philosophen“, in: I. Männlein-Robert, D. Koch, N. Weidtmann (Hrsg.), Platon und die Physis, Tübingen: Mohr Siebeck, 2019; “An Invitation from Plato”, in: Ch. Ferella, C. Breytenbach (Eds.), Paths of Knowledge, Berlin: Topoi Excellence Cluster, 2018; 「プラトン『ポリテイア』における詩と物語」(『年報政治学』2014-I号)、ほか。
馬場智一(ババ・トモカズ)
長野県立大学グローバルマネジメント学部准教授、哲学・倫理学・思想史・哲学プラクティス。『倫理の他者――レヴィナスにおける異教概念』(勁草書房、2012年)、「コーエンのマイモニデス読解とその余波――ゴルディーン、レヴィナス、シュトラウス」(『京都ユダヤ思想研究』、第11号(2)、2020年)、翻訳:バルバラ・カッサン『ノスタルジー――我が家にいるとはどういうことか』(花伝社、2020年)、ほか。
品川哲彦(シナガワ・テツヒコ)
関西大学文学部教授。哲学・倫理学。『倫理学入門――アリストテレスから生殖技術、AIまで』(中央公論新社、2020年)、『倫理学の話』(ナカニシヤ出版、2015年)、『正義と境を接するもの 責任という原理とケアの倫理』(ナカニシヤ出版、2007年)、ほか。
ジルベール・オトワ(Gilbert Hottois)
ベルギー哲学会の会長などを歴任、2003年以降、ベルギー王立アカデミーのメンバー。2019年死去。本論文執筆当時は、ブリュッセル自由大学(ベルギー)の生命倫理学学際的研究センター長。La science entre valeurs modernes et postmodernité (Paris, Vrin, 2005), Qu’est-ce que la bioéthique ? (Paris, Vrin (Chemins philosophiques), 2004)ほか。
岩佐宣明(イワサ・ノブアキ)
愛知学院大学教養部准教授。哲学・倫理学。「デカルト認識論における自己認識の問題」(『理想』第699号、2017年)、「コギトの特権性」(『フランス哲学・思想研究』第12号、2007年)、「歪められたコギト」(『哲学』第56号、2005年)、ほか。
小林道太郎(コバヤシ・ミチタロウ)
大阪医科薬科大学看護学部教授。哲学・倫理学。「補い合うことと考えること――ある看護師へのインタビューの分析から」(『看護研究』49 (4)、2016年)、「ケア倫理は看護倫理にどう貢献しうるのか――ケアの諸局面の倫理的要素から」(『日本看護倫理学会誌』6(1)、2014年)、「フッサール現象学は臨床のコミュニケーション研究とどう関わるのか――看護研究を中心に」(『Communication-Design』8、2013年)、ほか。
香川知晶(カガワ・チアキ)
山梨大学名誉教授。哲学。『命は誰のものか 増補改訂版』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2021年)、『生命倫理の源流』(共編著、岩波書店、2014年)、『死ぬ権利――カレン・クインラン事件と生命倫理の転回』(勁草書房、2006年)、ほか。
宇佐美公生(ウサミ・コウセイ)
岩手大学名誉教授。倫理学・哲学。『新・カント読本』(分担執筆、法政大学出版局、2018年)、『尊厳概念のダイナミズム――哲学・応用倫理学論集』(分担執筆、法政大学出版局、2017年)、「尊厳概念の形而上学的意味の再検討」(『日本カント研究』第21号、日本カント協会、2020年)、ほか。
ベッティナ・シェーネ=ザイファート(Bettina Schöne-Seiferth)
ミュンスター大学医療倫理・医療史・医療理論研究所教授。Schöne-Seifert, B.: Beim Sterben helfen – dürfen wir das? Berlin: J B Metzler 2020; Muders, S./ Rüther, M./ Schöne-Seifert, B./ Stier, M. (Hg.): Willensfreiheit im Kontext – Interdisziplinäre Perspektiven auf das Handeln. Münster: Mentis 2015; Schöne-Seifert, B./ Kern-Stähler, A./ Thiemann, A. (Hg.): Ethik in der Medizin – Literarische Texte für den neuen Querschnittsbereich GTE. Münster: Mentis 2013, ほか。
桐原隆弘(キリハラ・タカヒロ)
下関市立大学経済学部教授。哲学。Kirihara, T: Should Nature Be Isolated or Incorporated? A Debate on Reproductive Medicine in Germany from the Perspective of the Place of Culture. Journal of Philosophy and Ethics in Health Care and Medicine (Japanese Association for Philosophical and Ethical Researches in Medicine) No.14 (2021); Kirihara, T: Wie ist menschliches Zusammenleben möglich? Ausführungen zum Dialog zwischen kantischer Philosophie und der philosophischen Ethik in Japan vor allem in Beziehung auf »bürgerliche Persönlichkeit« und »Menschheit« In: Quante, M/Goto, H/Rojek, T/Segawa, S (Hg.): Der Begriff der Person in systematischer wie historischer Perspektive: ein deutsch-japanischer Dialog. Paderborn: Mentis 2020; Kirihara, T: Verbindung freier Personen: Zum Begriff der Gemeinschaft bei Kant und Scheler. Würzburg: Königshausen & Neumann 2009,ほか。
魏偉(ウェイ・ウェイ)
中国社会科学院哲学研究所助研究員(講師)。近代日本哲学・応用倫理学。「一種技藝人的人本主義:三木清的人本主義論」(『日語学習与研究』、5(216)、2021年)、“What is the Real Problem of Gene Editing in Human Germline Cells?” (Japanisches Jahrbuch für Wissenschaft und Ethik, Band 8, 2019)、「ヒトの生殖細胞を対象とするゲノム編集技術の応用に関する倫理的検討――中山大学の実験に対する中国の倫理学議論の批判的考察」(『尊厳概念のダイナミズム哲学――応用倫理学論集』、法政大学出版局、2017年)、ほか。
李亜明(リー・ヤーミン)
中国社会科学院哲学研究所副研究員(准教授)。生命倫理学。「人間の尊厳の儒教的概念」(『東アジアの尊厳概念』、法政大学出版局、2021年)、「人類物種完整性的道徳意義」(『哲学動態』、8号、2020年)、“Death with dignity from the Confucian perspective” (Theoretical Medicine and Bioethics, 38 (1), 2017)、ほか。
小椋宗一郎(オグラ・ソウイチロウ)
東海学院大学心理学科教授。生命倫理・倫理学・哲学。『生命をめぐる葛藤――ドイツ生命倫理における妊娠中絶、生殖医療と出生前診断』(生活書院、2020年)、「ボースとカンギレムにおける「正常」概念について――ノーマライゼーション原理の思想史的研究のために」(名古屋哲学研究会(編)「哲学と現代」第36号、2021年)、『生命の倫理学』(共編著、明石書店、2022年出版予定)、ほか。
金相得(キム・サンドゥク)
全北大学校人文大学哲学科教授。倫理学。『遺伝子倫理学』(〔韓国〕哲学と現実社、2009年)、『生命医療倫理学』(〔韓国〕哲学と現実社、2000年)、翻訳: G. E.ムーア『倫理学原理』(〔韓国〕アカネット、2018年)、ほか。
水野邦彦(ミズノ・クニヒコ)
北海学園大学教授。韓国社会論・社会思想。『韓国の社会はいかに形成されたか』(日本経済評論社、2019年)、『韓国社会意識粗描』(花伝社、2002年)、『美的感性と社会的感性』(晃洋書房、1996年)、ほか。
美馬達哉(ミマ・タツヤ)
立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。医療社会学・脳神経内科学・神経科学。『感染症社会――アフターコロナの生政治』(人文書院、2020年)、『生を治める術としての近代医療――フーコー『監獄の誕生』を読み直す』(現代書館、2015年)、「クリスパー(CRISPR)哲学とラマルクの危険な思想」(『現代思想』、2021年10月号)、ほか。
エゼキエル・J・エマニュエル(Ezekiel J. Emanuel)
ペンシルバニア大学グローバル・イニシアチブ副学長兼医療倫理・健康政策学部長。医師・医療倫理学者。WHO 事務局長の特別補佐も務める。オバマ政権の医療保険制度改革「オバマ・ケア」で主導的役割を果たし、2020年11月にはバイデン大統領によって新型コロナウイルス感染症対策諮問委員会のメンバーに選ばれている。
ヘンリー・S・リチャードソン(Henry S. Richardson)
ジョージタウン大学哲学科教授兼ケネディ倫理研究所上級研究員。政治哲学・倫理学・実践的推論。学術雑誌Ethics の編集長、ユネスコ「科学的知識と技術の倫理に関する世界委員会」委員、開発のための学際的学会Human Development and Capability Association会長などを歴任。
栗林寛幸(クリバヤシ・ヒロユキ)
東京大学特任研究員(医療倫理学)、翻訳家。翻訳:ピーター・テミン『なぜ中間層は没落したのか』(栗林寛幸訳、慶應義塾大学出版会、2020年)、翻訳:マイケル・マーモット『健康格差』(栗林寛幸監訳、日本評論社、2017年)、ほか。
ギブソン松井佳子(ギブソン・マツイ・ケイコ)
神田外語大学外国語学部教授。「文学の経験表現から考究できる〈尊厳〉の諸相」(『尊厳と社会(上)』法政大学出版局、2020年)、「翻訳学と脱構築のはざまで考える「社会正義」」(『〈翻訳〉のさなかにある社会正義』、東京大学出版会、2018年)、“Re-examining Human Dignity in Literary Texts: In Seeking for a Continuous Dialogue Between the Conceptual and the Empirical Approaches”, Dialog: A Journal of Theology, volume 56, Number 1, 2017, ほか。
諸昭喜(チェ・ソヒ)
国立民族学博物館グローバル現象研究部助教。人類学。「産後風の風と望」(共著『痛みからみえてくること――韓国社会の痛みに関する人類学報告書』、〔韓国〕フマニタス、2021年)、「韓国女性のソーシャル・サファリングの身体化「産後風」の語りを中心に」(『日本ジェンダー研究』21、2018年)、「東洋医学における疾患の社会的構築――韓国の産後風を事例として」(『人体科学』27(1)、2018年)、ほか。
隠岐-須賀麻衣(オキ-スガ・マイ)
国士舘大学政経学部講師。„Die φύσις der Philosophen und der Nicht-Philosophen“, in: I. Männlein-Robert, D. Koch, N. Weidtmann (Hrsg.), Platon und die Physis, Tübingen: Mohr Siebeck, 2019; “An Invitation from Plato”, in: Ch. Ferella, C. Breytenbach (Eds.), Paths of Knowledge, Berlin: Topoi Excellence Cluster, 2018; 「プラトン『ポリテイア』における詩と物語」(『年報政治学』2014-I号)、ほか。
馬場智一(ババ・トモカズ)
長野県立大学グローバルマネジメント学部准教授、哲学・倫理学・思想史・哲学プラクティス。『倫理の他者――レヴィナスにおける異教概念』(勁草書房、2012年)、「コーエンのマイモニデス読解とその余波――ゴルディーン、レヴィナス、シュトラウス」(『京都ユダヤ思想研究』、第11号(2)、2020年)、翻訳:バルバラ・カッサン『ノスタルジー――我が家にいるとはどういうことか』(花伝社、2020年)、ほか。
品川哲彦(シナガワ・テツヒコ)
関西大学文学部教授。哲学・倫理学。『倫理学入門――アリストテレスから生殖技術、AIまで』(中央公論新社、2020年)、『倫理学の話』(ナカニシヤ出版、2015年)、『正義と境を接するもの 責任という原理とケアの倫理』(ナカニシヤ出版、2007年)、ほか。
ジルベール・オトワ(Gilbert Hottois)
ベルギー哲学会の会長などを歴任、2003年以降、ベルギー王立アカデミーのメンバー。2019年死去。本論文執筆当時は、ブリュッセル自由大学(ベルギー)の生命倫理学学際的研究センター長。La science entre valeurs modernes et postmodernité (Paris, Vrin, 2005), Qu’est-ce que la bioéthique ? (Paris, Vrin (Chemins philosophiques), 2004)ほか。
岩佐宣明(イワサ・ノブアキ)
愛知学院大学教養部准教授。哲学・倫理学。「デカルト認識論における自己認識の問題」(『理想』第699号、2017年)、「コギトの特権性」(『フランス哲学・思想研究』第12号、2007年)、「歪められたコギト」(『哲学』第56号、2005年)、ほか。
小林道太郎(コバヤシ・ミチタロウ)
大阪医科薬科大学看護学部教授。哲学・倫理学。「補い合うことと考えること――ある看護師へのインタビューの分析から」(『看護研究』49 (4)、2016年)、「ケア倫理は看護倫理にどう貢献しうるのか――ケアの諸局面の倫理的要素から」(『日本看護倫理学会誌』6(1)、2014年)、「フッサール現象学は臨床のコミュニケーション研究とどう関わるのか――看護研究を中心に」(『Communication-Design』8、2013年)、ほか。
香川知晶(カガワ・チアキ)
山梨大学名誉教授。哲学。『命は誰のものか 増補改訂版』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2021年)、『生命倫理の源流』(共編著、岩波書店、2014年)、『死ぬ権利――カレン・クインラン事件と生命倫理の転回』(勁草書房、2006年)、ほか。
宇佐美公生(ウサミ・コウセイ)
岩手大学名誉教授。倫理学・哲学。『新・カント読本』(分担執筆、法政大学出版局、2018年)、『尊厳概念のダイナミズム――哲学・応用倫理学論集』(分担執筆、法政大学出版局、2017年)、「尊厳概念の形而上学的意味の再検討」(『日本カント研究』第21号、日本カント協会、2020年)、ほか。
ベッティナ・シェーネ=ザイファート(Bettina Schöne-Seiferth)
ミュンスター大学医療倫理・医療史・医療理論研究所教授。Schöne-Seifert, B.: Beim Sterben helfen – dürfen wir das? Berlin: J B Metzler 2020; Muders, S./ Rüther, M./ Schöne-Seifert, B./ Stier, M. (Hg.): Willensfreiheit im Kontext – Interdisziplinäre Perspektiven auf das Handeln. Münster: Mentis 2015; Schöne-Seifert, B./ Kern-Stähler, A./ Thiemann, A. (Hg.): Ethik in der Medizin – Literarische Texte für den neuen Querschnittsbereich GTE. Münster: Mentis 2013, ほか。
桐原隆弘(キリハラ・タカヒロ)
下関市立大学経済学部教授。哲学。Kirihara, T: Should Nature Be Isolated or Incorporated? A Debate on Reproductive Medicine in Germany from the Perspective of the Place of Culture. Journal of Philosophy and Ethics in Health Care and Medicine (Japanese Association for Philosophical and Ethical Researches in Medicine) No.14 (2021); Kirihara, T: Wie ist menschliches Zusammenleben möglich? Ausführungen zum Dialog zwischen kantischer Philosophie und der philosophischen Ethik in Japan vor allem in Beziehung auf »bürgerliche Persönlichkeit« und »Menschheit« In: Quante, M/Goto, H/Rojek, T/Segawa, S (Hg.): Der Begriff der Person in systematischer wie historischer Perspektive: ein deutsch-japanischer Dialog. Paderborn: Mentis 2020; Kirihara, T: Verbindung freier Personen: Zum Begriff der Gemeinschaft bei Kant und Scheler. Würzburg: Königshausen & Neumann 2009,ほか。
魏偉(ウェイ・ウェイ)
中国社会科学院哲学研究所助研究員(講師)。近代日本哲学・応用倫理学。「一種技藝人的人本主義:三木清的人本主義論」(『日語学習与研究』、5(216)、2021年)、“What is the Real Problem of Gene Editing in Human Germline Cells?” (Japanisches Jahrbuch für Wissenschaft und Ethik, Band 8, 2019)、「ヒトの生殖細胞を対象とするゲノム編集技術の応用に関する倫理的検討――中山大学の実験に対する中国の倫理学議論の批判的考察」(『尊厳概念のダイナミズム哲学――応用倫理学論集』、法政大学出版局、2017年)、ほか。
李亜明(リー・ヤーミン)
中国社会科学院哲学研究所副研究員(准教授)。生命倫理学。「人間の尊厳の儒教的概念」(『東アジアの尊厳概念』、法政大学出版局、2021年)、「人類物種完整性的道徳意義」(『哲学動態』、8号、2020年)、“Death with dignity from the Confucian perspective” (Theoretical Medicine and Bioethics, 38 (1), 2017)、ほか。
小椋宗一郎(オグラ・ソウイチロウ)
東海学院大学心理学科教授。生命倫理・倫理学・哲学。『生命をめぐる葛藤――ドイツ生命倫理における妊娠中絶、生殖医療と出生前診断』(生活書院、2020年)、「ボースとカンギレムにおける「正常」概念について――ノーマライゼーション原理の思想史的研究のために」(名古屋哲学研究会(編)「哲学と現代」第36号、2021年)、『生命の倫理学』(共編著、明石書店、2022年出版予定)、ほか。
金相得(キム・サンドゥク)
全北大学校人文大学哲学科教授。倫理学。『遺伝子倫理学』(〔韓国〕哲学と現実社、2009年)、『生命医療倫理学』(〔韓国〕哲学と現実社、2000年)、翻訳: G. E.ムーア『倫理学原理』(〔韓国〕アカネット、2018年)、ほか。
水野邦彦(ミズノ・クニヒコ)
北海学園大学教授。韓国社会論・社会思想。『韓国の社会はいかに形成されたか』(日本経済評論社、2019年)、『韓国社会意識粗描』(花伝社、2002年)、『美的感性と社会的感性』(晃洋書房、1996年)、ほか。