日本外交と対中国借款問題
「援助」をめぐる協調と競合

A5判 / 208ページ / 上製 / 定価:5,000円 + 税 
ISBN978-4-588-32605-9 C3021 [2020年03月 刊行]

内容紹介

日露戦争後から第一次世界大戦終結期までの日本の中国大陸への経済的進出を、勢力圏外交と借款問題の視角から分析する外交史研究。中国の権益をめぐって欧米列強との競争が熾烈になるなか、日本はどのような戦略をとったのか。鉄道の敷設や幣制改革など具体的事例をもとに、満洲権益と中国本土への進出がいかなる競合関係にあったのか究明する。

著訳者プロフィール

塚本 英樹(ツカモト ヒデキ)

1982年生まれ。千葉県出身。
2018年3月法政大学大学院人文科学研究科(日本史学専攻)修了、博士(歴史学)。専攻は日本近現代史、外交史。現在、葛飾区郷土と天文の博物館非常勤調査員。
主要論文:「日本の対中国借款政策と幣制改革―第二次改革借款と幣制改革借款併合問題―」(『日本歴史』第797号,2014年)、「寺内正毅内閣期の対中国財政援助政策―外務省と援段政策―」(『東アジア近代史』第18号,2015年)、「原敬内閣期の対中国借款政策―財政援助問題を中心に―」(『法政史学』第89号、2018年)等。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序章
一 問題の所在
二 先行研究の整理
三 本書の視角
四 本書の構成

第一章 国際借款団の結成過程――満洲特殊権益をめぐる日本外交
はじめに
一 四国借款団成立期における加入問題
二 辛亥革命期の対中国借款問題
小括

第二章 国際借款団と中国幣制改革問題
はじめに
一 中国幣制改革と日本
二 第一次改革借款の成立
三 幣制改革借款併合問題
小括

第三章 辛亥革命後における日本の対中国借款と満蒙権益
はじめに
一 実業借款除外問題と満洲権益
二 国際借款団結成後における勢力圏認識と主張の抑制
三 日本外交における勢力圏の主張抑制要因
四 対中国借款問題をめぐる日英関係の動揺
小括
第四章 寺内正毅内閣期の対中国借款政策――財政援助と中国幣制改革
はじめに
一 成立期の対中国借款政策
二 第二次改革借款と中国幣制改革
三 財政援助政策停滞への対応
四 均衡の破綻とシベリア出兵資金の供与問題
小括

第五章 西原亀三の中国経済改革構想とその展開――金券発行計画を中心に
はじめに
一 西原借款の前提:中国経済改革構想と交通銀行借款 
二 西原借款と金券流通構想 
三 金券発行計画をめぐる西原と勝田蔵相の対立 
四 西原構想と公式ルート
小括

第六章 原敬内閣期の対中国借款政策――財政援助問題を中心に
はじめに
一 原敬内閣の対中国財政援助方針の決定と展開
二 四洮鉄道借款前貸金と実業資金名目財政援助構想
三 非公式ルートによる財政援助
四 単独供与の実施 
五 財政援助の停止とその影響
小括 

終章

参考文献一覧
論文初出一覧
あとがき
人名索引・事項索引

書評掲載

「図書新聞」(2020年9月5日号/古結諒子氏・評)に紹介されました。