田岡嶺雲論集成

四六判 / 268ページ / 上製 / 価格 3,080円 (消費税 280円) 
ISBN978-4-588-46016-6 C0095 [2021年11月 刊行]

内容紹介

日清・日露戦争期を代表する文芸批評家・中国文学者でありながら、天皇制国家のもとで幾度も発禁処分に遭い、歴史から忘れられてきた思想家、田岡嶺雲。人種的・社会的・性的格差のない地球共同体をめざしたその先駆的著作を半世紀以上にわたって掘り起こし、『田岡嶺雲全集』として完成させた著者が、折にふれて発表してきた嶺雲論を一冊に集成。嶺雲の魅力と全体像を知るのに格好の書。

著訳者プロフィール

西田 勝(ニシダ マサル)

1928年、静岡県に生まれる。1953年、東京大学文学部卒業、法政大学文学部教授を経て、〈西田勝・平和研究室〉主宰、植民地文化学会代表理事を務める。2021年7月没。主要著書に『グローカル的思考』『近代日本の戦争と文学』『近代文学の発掘』(以上、法政大学出版局)、『社会としての自分』(オリジン出版センター)、『近代文学閑談』(三一書房)、『私の反核日記』(日本図書センター)、編訳書に『田岡嶺雲全集』全7巻、呂元明『中国語で残された日本文学』、鄭清文『丘蟻一族』、葉石涛『台湾男子簡阿淘』、黄春明『黄春明選集 溺死した老猫』(以上、法政大学出版局)、ゴードン・C.べネット『アメリカ非核自治体物語』(筑摩書房)、『世界の平和博物館』(日本図書センター)、『《満洲国》文化細目』(共編、不二出版)、『中国農民が証す《満洲開拓》の実相』(共編、小学館)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

プロローグ 嶺雲と現代

北村透谷の発展者としての田岡嶺雲

嶺雲・愛山論争の意味

思想家としての田岡嶺雲

 大学自由論
 天皇制観
 連亜論
 朝鮮観
 女性解放論

田岡嶺雲と幸徳秋水

『明治叛臣伝』の意義

探究の途上で

 文学的予言力
 反 語
 自由民権の息子
 公害論
 口述調書の速記を
 百年前の平和外交論
 泉鏡花の手紙
 徳田秋声との交遊
 短歌観
 初めて息子と会った日
 詩を生きた男
 『黒白』創刊号の出現

エピローグ 嶺雲全集を完結して

初出一覧
あとがきにかえて

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