フェミニスト経済学の目標は、すべての子ども、女性、男性の生活条件を改善することにある。従来の経済学において不可視化されてきたアンペイド・ケアワークの問題を分析し、ジェンダー、セクシュアリティのみならず階級、カースト、人種やエスニシティが交差して生じる差別や抑圧、経済的不平等の構造を解体するための50章。これからの政治経済・社会問題を論じるための基礎知識がここにある。

※本目次は制作中のものであり、訳語が変更される場合があります。

１　イントロダクション

I　中核的概念と枠組み

２　開発経済学へのフェミニストの挑戦
３　フェミニスト政治経済学
４　フェミニスト制度派経済学
５　家父長制的システムを概念化する
６　フェミニスト・エコロジカル経済学
７　ケイパビリティ・アプローチ
８　人権とフェミニスト経済学
９　ケアワーク
10　フェミニスト経済学におけるエイジェンシーの３つの側面──ケイパビリティ、エンパワーメント、シティズンシップ
11　「分離する自己」「溶解する自己」を超えて
12　インターセクショナルなアイデンティティと分析

II　手法、方法論、測定

13　フェミニストによる量的手法の使用
14　フェミニスト研究における質的／解釈主義的方法論
15　時間配分と生活時間調査
16　ウェルビーイングの測定

III　プロヴィジョニングのための資源

17　労働力の女性化と５つの神話
18　アメリカ労働市場におけるジェンダー差別
19　コンティンジェントワークとギグエコノミー
20　グローバルサウスにおける労働市場とインフォーマル労働
21　国際貿易とグローバルサウスにおける女性労働者
22　アフリカにおける農村女性の生計と食料安全保障
23　グローバルな移民とケアチェーン
24　セックスワークと人身取引
25　改革・開放以降の中国における女性労働
26　移行経済における市場改革
27　環境資源とジェンダー不平等──利用、劣化、保全
28　貧困
29　アメリカと西欧における家族形成
30　カップル内ジェンダー分業
31　世帯内意思決定と資源配分
32　グローバルサウスにおける資産・富・所有権
33　親密なパートナーによる暴力
34　リプロダクティブヘルスと経済的エンパワーメント

IV　制度と政策

35　ジェンダーと経済成長
36　ケアとマクロ経済
37　経済危機の分析をジェンダー化する
38　脱成長
39　EUのケアレジーム
40　アメリカにおけるワーク・ファミリー政策の分断
41　グローバルサウスにおけるケア政策
42　アメリカの団体交渉と労働組合
43　アメリカの経済学における包摂性の探求──50年にわたるゆるやかな歩み

V　国際ガバナンスとソーシャル・プロヴィジョニング

44　グローバルサウスにおけるグループ型金融サービス──社会的有効性に関するエビデンスの検証
45　持続可能な開発目標──フェミニスト経済学の視点からの考察
46　グローバル社会政策
47　ジェンダー予算
48　スマートエコノミクス
49　国際労働基準と三者構成主義
50　協同組合