叢書・ウニベルシタス 1156
耐え難き現在に革命を!
マイノリティと諸階級が世界を変える
ISBN978-4-588-01156-6 C1310 [2023年05月 刊行]
マウリツィオ・ラッツァラート(ラッツァラート マウリツィオ)
マウリツィオ・ラッツァラート(Maurizio Lazzarato)
1955年、イタリア生まれの社会学者、哲学者。現在、パリにて非物質的労働、労働者の分裂、社会運動などについての研究を行なう。アントニオ・ネグリらの雑誌『マルチチュード』の創刊より編集委員を務め、アンテルミッタン(非常勤芸能従事者)やプレカリアート(不安定生活者)らの社会運動にも携わっている。日本語訳に『出来事のポリティクス』(村澤真保呂・中倉智徳訳、洛北出版)『〈借金人間〉製造工場』(杉村昌昭訳、作品社)『記号と機械』(杉村昌昭・松田正貴訳、共和国)『戦争と資本』(エリック・アリエズとの共著、杉村昌昭・信友建志訳、作品社)『資本はすべての人間を嫌悪する』(杉村昌昭訳、法政大学出版局)がある。
杉村 昌昭(スギムラ マサアキ)
杉村 昌昭 1945年生まれ。龍谷大学名誉教授。フランス文学・現代思想専攻。著書に『資本主義と横断性』(インパクト出版会)『分裂共生論』(人文書院)、共編著に『フェリックス・ガタリと現代世界』(ナカニシヤ出版)、訳書にラッツァラート諸作品のほか、ガタリ『分子革命』『精神と記号』(以上、法政大学出版局)『三つのエコロジー』(平凡社ライブラリー)『闘走機械』(松籟社)『人はなぜ記号に従属するのか』『エコゾフィーとは何か』(以上、青土社)ガタリ/ドゥルーズ『政治と精神分析』(法政大学出版局)ガタリ/ネグリ『自由の新たな空間』(世界書院)ガタリ/ロルニク『ミクロ政治学』(共訳、法政大学出版局)ドス『ドゥルーズとガタリ』(河出書房新社)アザン『パリ大全』(以文社)ジェノスコ『フェリックス・ガタリ』(共訳、法政大学出版局)ベラルディ『フューチャビリティー』(法政大学出版局)ブランコ『さらば偽造された大統領』(共訳、岩波書店)ロバン『なぜ新型ウィルスが次々と世界を襲うのか?』(作品社)ミルズ『人種契約』(共訳、法政大学出版局)モラン『知識・無知・ミステリー』(法政大学出版局)などがある。
※上記内容は本書刊行時のものです。二つの革命という仮説
世界革命という仮説
無償労働という仮説
無償労働の政治的力という仮説
階級概念の再検討という仮説
多様な生産様式という仮説
措定的暴力と維持的暴力と威嚇力という仮説
内部の植民地化という仮説
「主体」という仮説
破局(カタストロフ)という仮説
〈北〉と〈南〉の力関係の変化という仮説
第一章 単一の階級闘争から複数の階級闘争へ
一 革命のかげり
二 複数の階級闘争
三 諸階級と自由労働
四 複数の階級闘争と革命の背景
四─一 中心部の植民地化
四─二 独占の戦略
四─三 技術と自然資源のコントロール
五 戦略的知
第二章 グローバリゼーションと革命のなかにおける女性と人種差別された人々の「無償労働」
一 世界市場は多様な生産様式の場である
一─一 主体性の価値化と非価値化
一─二 真の境界線
一─三 政治的機械と人工知能
二 世界的権力機械
二─一 双頭の機械
二─二 オルド自由主義と創発国家
三 権力の植民地体制
四 奴隷の居る共和国
第三章 ヨーロッパと二十世紀の革命
一 東洋における革命
二 グラムシと世界革命
三 ハンス=ユルゲン・クラール、学生運動、革命
三─一 政治的主体化
三─二 革命の運命
第四章 フェミニズムと植民地化された人々──新たな階級闘争
一 弁証法は白人男性のものである
一─一 ファノンの弁証法批判
一─二 ロンツィと家長父制的弁証法
一─三 ヘーゲルとトロンティ、「絶対に近代的でなくてはならない」
一─四 非弁証法的非対称
一─五 従属の発生源
一─六 歴史と弁証法から脱却し社会主義革命と絶縁すること
一─七 女性や植民地化された人々の政治的組織の労働運動からの自立
二 唯物論フェミニズムにおける階級闘争
二─一 セックス、セクシュアリティ、ジェンダー
二─二 クィア理論の批判
二─三 ミシェル・フーコーあるいは権力のクィア理論
第五章 主体性の「搾取と生産」の批判
一 所有は盗みか?
一─一 「所有は盗みである」
二 主体性の征服戦争
二─一 征服戦争と規範
二─二 規範化が規範に先立つ
二─三 唯物論フェミニズムにおける女性階級の構成
二─四 規範に先立つのは「打ち負かされた主体性」である
第六章 階級闘争の抑圧
一 カール・マルクス
二 フーコーと生政治
三 マイケル・ハートとアントニオ・ネグリ
四 ジル・ドゥルーズとフェリックス・ガタリ
五 ブリュノ・ラトゥールのエコロジー論
第七章 「予想できない主体」と革命の時代
一 歴史主義の乗り越え──未来から現在へ
二 出来事と革命
三 六八年の出来事
四 出来事の時代
五 蜂起という出来事のあとの二重の危険
六 反革命
七 時間の脱政治化
第八章 複数階級ならびにマイノリティの闘争、カタストロフ、世界革命
一 紛争の新たな性質
一─一 諸階級とマイノリティ
一─二 否定と肯定
一─三 CRCの政治的主体化
一─四 予想できない主体
一─五 言表行為の集合的動的編成 vs 遂行的発話
二 破局(カタストロフ)
二─一 産出的自然
三 世界革命
三─一 来たるべき革命における「無償労働」
三─二 反乱!
三─三 反逆を続けることが学ぶことになる
三─四 最近の反乱について
訳者あとがき
人名索引
書評掲載
「週刊読書人」(2023年11月24日号/北川眞也氏・評)に紹介されました。
「レイバーネット日本」(2024年01月11日更新/根岸恵子氏・評)に紹介されました。