叢書・ウニベルシタス 1150
人種契約
ISBN978-4-588-01150-4 C1310 [2022年10月 刊行]
チャールズ・W・ミルズ(ミルズ チャールズ ウェイド)
(Charles Wade Mills)
1951年イギリス生まれ。西インド諸島大学で物理学を学んだのち、トロント大学で哲学の博士号を取得。ニューヨーク市立大学大学院センター、ノースウェスタン大学で教授を務める。おもな著書にFrom Class to Race: Essays in White Marxism and Black Radicalism (Rowman & Littlefield, 2003), Radical Theory, Caribbean Reality: Race, Class and Social Domination (University of the West Indies Press, 2010)など、共著にThe Contract and Domination (Polity, 2013)がある。2021年逝去。
杉村 昌昭(スギムラ マサアキ)
1945年生まれ。龍谷大学名誉教授。フランス文学・現代思想専攻。著書に『資本主義と横断性』(インパクト出版会)、『分裂共生論』(人文書院)。訳書にガタリ『分子革命』『精神と記号』(以上、法政大学出版局)、『三つのエコロジー』(平凡社ライブラリー)、『闘走機械』(松籟社)『カフカの夢分析』『精神病院と社会のはざまで』(以上、水声社)、『人はなぜ記号に従属するのか』『エコゾフィーとは何か』(以上、青土社)、ガタリ/ドゥルーズ『政治と精神分析』(法政大学出版局)、ガタリ/ネグリ『自由の新たな空間』(世界書院)、ガタリ/ロルニク『ミクロ政治学』(共訳、法政大学出版局)、アザン『パリ大全』(以文社)、ジェノスコ『フェリックス・ガタリ』(共訳、法政大学出版局)、ラッツァラート『記号と機械』(共訳、共和国)、『〈借金人間〉製造工場』(作品社)、『資本はすべての人間を嫌悪する』(法政大学出版局)、アリエズ/ラッツァラート『戦争と資本』(共訳、作品社)、ブランコ『さらば偽造された大統領』(共訳、岩波書店)、ロバン『なぜ新型ウィルスが次々と世界を襲うのか?』(作品社)などがある。
松田 正貴(マツダ マサタカ)
1974年生まれ。大阪電気通信大学准教授。20世紀イギリス文学専攻。編書に『ダダイストの睡眠』(高橋新吉著、共和国)、訳書にバックラック『ニューメキシコのD・H・ロレンス』(彩流社)、ローズ『性の革命』(共訳、関西大学出版局)、ラッツァラート『記号と機械』(共訳、共和国)、ジェノスコ『フェリックス・ガタリ』(共訳、法政大学出版局)などがある。
※上記内容は本書刊行時のものです。二十五周年記念版への謝辞
序文(トミー・シェルビー)
序文 人種契約──時代はめぐる
序 章
第一章 概説
人種契約は政治や道徳、認識論にかかわる。
人種契約は歴史的現実(アクチュアリティ)である。
人種契約はひとつの搾取契約であり、ヨーロッパ人によるグローバルな経済支配と白人の国民的人種特権をもたらす。
第二章 詳述
人種契約は場所を文明的なものと野生的なものに区分けすることで空間を規範化(そして人種化)する。
人種契約は人間と隷属人間という区分をもうけて、個人を規範化(そして人種化)する。
人種契約は近代における社会契約を裏書きし、しかもつねに書き換えられる。
人種契約は暴力とイデオロギー的調整によって強化される。
第三章 「人種契約」理論の「自然化された」利点
人種契約は道徳的な白人主体(の大半)がもつ現実的な道徳/政治意識を歴史的に追跡する。
人種契約こそが白人の道徳的/政治的慣習の真の決定要因であり、今後批判されるべき真の道徳的/政治的合意であると非白人たちはこれまでずっと気づいていた。
理論としての人種契約論は、世界の政治的/道徳的現実を解き明かし、規範的な理論を導くという点で、人種なき社会契約よりも優れた説明力をもつ。
訳者あとがき
原注
索引
書評掲載
「図書新聞」(2022年12月03日号/中村隆之氏・評)に紹介されました。
「京都新聞」(2023年01月21日付/中村一成氏・評)に紹介されました。
月刊「みすず」(2023年1・2月合併号、2023年02月01日発行/勝俣誠氏・評)に紹介されました。
月刊「みすず」(2023年1・2月合併号、2023年02月01日発行/石原千秋氏・評)に紹介されました。