サピエンティア 59
多文化主義の政治学

A5判 / 296ページ / 上製 / 定価:3,800円 + 税 
ISBN978-4-588-60359-4 C3031 [2020年06月 刊行]

内容紹介

異なる背景を持った文化を容認し共存をはかる多文化主義という立場は、1980年代以降、政治的言説で一定の市民権を獲得してきた。リベラリズムやデモクラシーとのかかわり、その進化と展開、問題点などを理論と事例研究により検討する。具体的事例としてアメリカ、ベルギー、フランス、オーストリア、ドイツ、ロシア、ボスニアを取り上げ、日本の第一線の政治学者8名が多角的な考察を提示する。

著訳者プロフィール

飯田 文雄(イイダ フミオ)

1961年生まれ。神戸大学大学院法学研究科・教授(政治学原論,現代政治理論,西洋政治思想史)。
主な業績:「運命と平等――現代規範的平等論の一断面」日本政治学会編『年報政治学2006-I』2006年, 『現代政治理論:新版』(共著)有斐閣,2012年,“The Tensions between Multiculturalism and Basic Income in Japan," in Yannick Vanderborght and Toru Yamamori (eds.), Basic Income in Japan: Prospects for a Radical Idea in a Transforming Welfare State, Palgrave Macmillan,2014, ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 第I部 多文化主義の政治理論

第1章 リベラルな多文化主義の形成と展開 【飯田文雄】

第2章 多文化主義とデモクラシー 【早川 誠】


 第II部 現代多文化主義の形成と展開

第3章 アメリカの多文化主義と社会福祉政策 【西山隆行】

第4章 ベルギーの多文化政策と移民問題  【津田由美子】

第5章 フランスにおけるムスリムの平等
 ーーカラー・ブラインドな「差別との闘い」と「信教の自由の保障」  【浪岡新太郎】

 第III部 現代多文化主義の拡大と進化

第6章 オーストリアとドイツにおける国家とムスリム
 ーー社団的統合対リベラリズム 【網谷龍介】

第7章 ロシア多民族連邦制と「多文化主義」
 ーー帝国と民族自決のあとで 【渋谷謙次郎】

第8章 ボスニアにおける多民族主義と民族主義 【月村太郎】


あとがき 
索引

【執筆者略歴】*は編者

*飯田文雄(いいだ ふみお)第1章
1961年生まれ。神戸大学大学院法学研究科・教授(政治学原論,現代政治理論,西洋政治思想史)。
主な業績:「運命と平等――現代規範的平等論の一断面」日本政治学会編『年報政治学2006-I』2006年, 『現代政治理論:新版』(共著)有斐閣,2012年,“The Tensions between Multiculturalism and Basic Income in Japan," in Yannick Vanderborght and Toru Yamamori (eds.), Basic Income in Japan: Prospects for a Radical Idea in a Transforming Welfare State, Palgrave Macmillan,2014, ほか。

早川 誠(はやかわ まこと)第2章
1968年生まれ。立正大学法学部教授(現代政治理論)
主な業績:『代表制という思想』風行社,2014年,「非主権的政治体は可能か」『年報政治学2019-I』2019年,ほか。

西山隆行(にしやま たかゆき)第3章
1975年生まれ。成蹊大学法学部教授(比較政治,アメリカ政治)
主な業績:『アメリカ型福祉国家と都市政治――ニューヨーク市におけるアーバン・リベラリズムの展開』東京大学出版会,2008年,『移民大国アメリカ』ちくま新書,2016年,『アメリカ政治入門』東京大学出版会,2018年,ほか。

津田由美子(つだ ゆみこ)第4章
1959年生まれ。関西大学法学部教授(ヨーロッパ政治史,比較政治)
主な業績:『北欧・南欧・ベネルクス』(編著)ミネルヴァ書房,2011年,『現代ベルギー政治――連邦化後の20年』(編著)ミネルヴァ書房,2018年,ほか。

浪岡新太郎(なみおか しんたろう)第5章
1971年生まれ。明治学院大学国際学部教授(政治社会学,平和研究)
主な業績:『排外主義を問い直す』(編著)勁草書房,2015年,『政治と宗教のインターフェイス』行路社,2017年,『ヨーロッパのデモクラシー』(共著)岩波書店,2018年,ほか。

網谷龍介(あみや りょうすけ)第6章
1968年生まれ。津田塾大学学芸学部教授(ヨーロッパ政治,EU研究,比較政治)。
主な業績:『ヨーロッパのデモクラシー 改訂第2版』(共編著)ナカニシヤ出版,2014年,「20世紀ヨーロッパにおける政党デモクラシーの現実モデル――H.ケルゼンの民主政論を手がかりに」『年報政治学2016-II』2016年,『戦後民主主義の青写真』(共編著)ナカニシヤ出版,2019年,ほか。

渋谷謙次郎(しぶや けんじろう)第7章
1969年生まれ。神戸大学大学院法学研究科教授(ロシア法,比較法)
主な業績:『欧州諸国の言語法――欧州統合と多言語主義』(編著)三元社,2005年,『言語権の理論と実践』(共編著)三元社,2007年,『法を通してみたロシア国家――ロシアは法治国家なのか』ウェッジ,2014年,ほか。

月村太郎(つきむら たろう)第8章
1959年生まれ。同志社大学政策学部教授(国際政治史,バルカン地域研究)
主な業績:『ユーゴ内戦――政治リーダーと民族主義』東京大学出版会,2006年,『民族紛争』岩波新書,2013年,『解体後のユーゴスラヴィア』(編著)晃洋書房,2017年,ほか。

書評掲載

「図書新聞」(2020年10月24日号/坂井一成氏・評)に紹介されました。

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