叢書・ウニベルシタス 1159
断絶

四六判 / 240ページ / 上製 / 価格 3,520円 (消費税 320円) 
ISBN978-4-588-01159-7 C1310 [2023年09月 刊行]

内容紹介

恋愛とその破局、愛する人の不在、家族との訣別、出産と生誕、怪我による身体変容、アルツハイマー病による人格変容……。存在の脆弱さ、壊れやすさに対する繊細な配慮が、常識的な期待や希望の言説に抗して、いかに人間存在が脆く、容易に破局から回復しえないのかを見極める。それでもなお、挫折を「肯定する」のでもなく、別離から「立ち直る」のでもなく、私たちはいかにして生き延びることができるか。

著訳者プロフィール

クレール・マラン(マラン クレール)

クレール・マラン(Claire Marin)
1974年、パリに生まれる。2003年にパリ第四大学(ソルボンヌ)で哲学の博士号を取得。「現代フランス哲学研究国際センター」のメンバーを務めるとともに、セルジー=ポントワーズのリセ、アルフレッド・カストレ校のグランゼコール準備クラスで教鞭をとる哲学者である。自らが多発性の関節炎をともなう自己免疫疾患に苦しめられ、厳しい治療生活を送ってきた患者(当事者)でもあり、その経験を起点として、「病い」と「医療」に関する哲学的な省察へと歩みを進め、精力的な著作活動を続けている。著書に、『熱のない人間――――治癒せざるものの治療のために』(鈴木智之訳、法政大学出版局、2016年)、『病い、内なる破局』(鈴木智之訳、法政大学出版局、2021年)、自らの経験を小説として綴った作品『私の外で――――自己免疫疾患を生きる』(鈴木智之訳、ゆみる出版、2015年)などがある。

鈴木 智之(スズキ トモユキ)

鈴木 智之 1962年生まれ。法政大学社会学部教授。著書に、『村上春樹と物語の条件――――『ノルウェイの森』から『ねじまき鳥クロニクル』へ』(青弓社、2009年)、『眼の奥に突き立てられた言葉の銛――目取真俊の〈文学〉と沖縄戦の記憶』(晶文社、2013年)、『死者の土地における文学――大城貞俊と沖縄の記憶』(めるくまーる、2016年)、『郊外の記憶――文学とともに東京の縁を歩く』(青弓社、2021年)、『ケアとサポートの社会学』(共編著、法政大学出版局、2007年)、『ケアのリアリティ――境界を問いなおす』(共編著、法政大学出版局、2012年)、『不確かさの軌跡――――先天性心疾患とともに生きる人々の生活史と社会生活』(共著、ゆみる出版、2022年)など。訳書に、A・W・フランク『傷ついた物語の語り手――身体・病い・倫理』(ゆみる出版、2002年)、B・ライール『複数的人間――行為のさまざまな原動力』(法政大学出版局、2013年)、M・アルヴァックス『記憶の社会的枠組み』(青弓社、2018年)、C・マラブー『偶発事の存在論――破壊的可塑性についての試論』(法政大学出版局、2020年)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 人生はいくつもの別れでできている

第1章 自分自身に、そして他者に忠実であり続けることの不可能性

第2章 愛する人との別れ

第3章 自分自身になる

第4章 散逸の喜び

第5章 事故に遭った人

第6章 誕生と別れ

第7章 家族と別れる

第8章 消失

第9章 断絶の性

第10章 夜を渡る

第11章 契約の破綻

訳者あとがき

参考文献

書評掲載

「図書新聞」(2024年02月03日号/大橋一平氏・評)に紹介されました。

関連書籍

『病い、内なる破局』
クレール・マラン:著
『熱のない人間』
クレール・マラン:著
『偶発事の存在論』
カトリーヌ・マラブー:著
『スティル・ライヴズ』
ジョナサン・コール:著
『ニーチェ』
梅田 孝太:著