毎年恒例の〈書物復権〉共同復刊のリクエスト投票が開始されました。第19回目となる2015年は、新たに青土社が参加し、10社140点157冊の充実した復刊候補をそろえることができました。
また今回も、通常では復刊しにくい少数のご要望にお応えすべく、オンデマンド版での復刊も実施いたします。
1点でも多くの復刊を実現し、良書を読者の皆様にお届けしたいと願っております。皆様のリクエストで名著をよみがえらせてください。リクエスト投票にご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
実施概要や復刊候補リストは〈書物復権〉2015 サイトをご覧ください。
■リクエスト投票締め切り: 2015年2月28日
■リクエスト方法: 下記の二つのサイトよりリクエスト投票ができます。
http://www.kinokuniya.co.jp/c/fukken2015 (紀伊國屋書店 〈書物復権〉2015)
http://www.fukkan.com (復刊ドットコム)
小局の復刊候補は、次の通りです。
『琉球方言音韻の研究』
中本正智著
初版1976・最終版1976年/A5判/494頁/予価(本体8500円+税)
第4回伊波普猷賞受賞 臨地調査をもとに全琉球方言を分析。母音およびカ行・ハ行子音の通時的変化過程を追究するとともに共時的な音韻実態をも明らかにする。
『過疎の実証分析』
斎藤晴造編著
初版1976・最終版1976年/A5判/574頁/予価(本体8500円+税)
全国の典型的な過疎地域を調査し、その実態を解明する一方、労働者移動=出稼ぎ、生産構造とくに農業の変質・再編を鋭く追及する。
『年齢意識の社会学』
ハワード・P.チュダコフ著/工藤政司、藤田永祐訳
初版1994・最終版1995年/四六判/352頁/予価(本体3800円+税)
人はいつから誕生日を祝うようになったのか。教育・医療・労働から官僚制度、大衆音楽まで、アメリカの文化と社会における年齢の意味と役割の変遷をあとづける。
『尾崎秀実伝』
風間道太郎著
初版1968・最終版1995年/四六判/574頁/予価(本体4800円+税)
尾崎を語っては第一人者である著者が、永年の調査を経て書き下した決定版。ゾルゲ、スメドレーらと共に、死を賭して反戦・平和のために奔走した思想と行動の軌跡。
『猿楽能の思想史的考察』
家永三郎著
初版1980・最終版1990年/四六判/258頁/予価(本体3000円+税)
戦時下の能楽弾圧の史実に立って、鎌倉新仏教の精神と連なる大成期猿楽能を逆照射し、生の悲哀と苦患を凝視する悲劇的・否定的論理に貴重な精神的遺産を読みとる。
『戦後歴史学の思想』
石母田正著
初版1977・最終版1977年/四六判/616頁/予価(本体4800円+税)
戦後の科学的歴史学を理論的にリードし、学問の民衆的地盤と思想的骨格を問い続けた著者の、古代史と現代史、文学と歴史、歴史学の課題と方法等をめぐる59篇。
『植木枝盛 無天雑録』
家永三郎、外崎光弘編
初版1974・最終版1974年/四六判/338頁/予価(本体3800円+税)
革命運動に身を投じてから謎の死を遂げるまでの随想録。塗抹された君主制否定論、武力革命肯定論、国家廃止論等も復元、枝盛の精神史と自由民権思想の解明に資す。
『大杉栄研究』
大沢正道著
初版1971・最終版1977年/A5判/398頁/予価(本体4800円+税)
アナキズム研究の第一人者が綿密な実証と豊かな想像力によって描きあげた本格的評伝。反逆の炎に照り映える大杉栄39年の生涯と思想が今よみがえる。
『宗教と魔術の衰退(上下巻)』
キース・トマス著/荒木正純訳
初版1993・最終版1993年/四六判/1412頁/予価(本体16000円+税)
ウルフソン文芸賞受賞/第29回日本翻訳出版文化賞受賞 民衆のくらしに根ざした魔術や占星術、呪いや予言の役割、キリスト教による魔術の取り込み・対立の背景を解明する。
『ヨーロッパのサロン』
V.ハイデン=リンシュ著/石丸昭二訳
初版1998・最終版1998年/四六判/310頁/予価(本体3000円+税)
イタリアルネサンスから20世紀まで、輝かしい女性文化を花咲かせ時代の偉大な精神・知性を引きつけたサロンをヨーロッパ的規模で描き、失われた楽園を再現する。
『明治日本とイギリス』
オリーヴ・チェックランド著/杉山忠平、玉置紀夫訳
初版1996・最終版1996年/四六判/474頁/予価(本体4800円+税)
〈お雇い〉英国人の日本での活躍、渡英留学生たちの彼の地での見聞と生活を掘り起し、両国間の〈異花受精〉の具体相から、国際理解と文化伝播のありようを考察。
『オーストリア=ハンガリーとバルカン戦争』
馬場優著
初版2006・最終版2006年/A5判/396頁/予価(本体5900円+税)
ハプスブルク帝国が諸「大国」との協調路線から軍事力依存の外交政策に転じ、第一次世界大戦の勃発にいたる過程を外交文書・未公刊一次資料にもとづき詳細に描く。
『黙移』
相馬黒光著
初版1961・最終版1988年/四六判/386頁/予価(本体3800円+税)
リベラルな信念にもとづき、明治の精神史を生きた相馬黒光女史の自伝。宮城女学校入学から明治女学校を経て木下尚江氏の思い出を語る晩年までの生々流転の半生。
『言語芸術作品』
ヴォルフガング・カイザー著/柴田斎訳
初版1972・最終版1988年/四六判/678頁/予価(本体7400円+税)
文学史・言語学・文献学・文体論にわたる博大な蘊蓄を傾けて文学作品そのものの構造を細密に分析しつつ綜合をめざすドイツ文芸学派の文芸理論体系。新訳・改訂版。
『美学入門』
エチエンヌ・スリヨ著/古田幸男、池部雅英訳
初版1974・最終版1993年/四六判/198頁/予価(本体2200円+税)
美学を内省的思考の一形式として定義し、その創造的思考の変遷をプラトン、アリストテレス、レオナルド・ダ・ヴィンチらにさかのぼって考察。