張玉萍著『戴季陶と近代日本』が、このたび第3回「山口一郎記念賞」(財団法人孫中山記念会主催)を受賞しました。
本書の主人公である戴季陶(1891-1949年)は、清末に日本に留学し、その後、ジャーナリストを経て中国国民党の有力政治家となり、孫文の機密秘書兼日本語通訳として活躍した人物です。国民党の元老、蒋介石の無二の盟友でもありました。日本に関する著作も多く、その集大成である『日本論』はよく知られています。近代中国第一の知日家であった戴は、近代日本にいったい何を見、考えたのでしょうか。
本書は、戴の政治活動、思想、日本観の変遷を縦軸とし、中国の政治状況や輿論および孫文の日本観を横軸として、その日本観を体系的かつ立体的に考察します。
授賞式は、2011年11月12日に神戸の孫文記念館で行なわれる予定です。